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お酒を飲む人は「休肝日」を 厚生労働省研究班

キーワード: 二少(少食・少酒) 心筋梗塞/狭心症 アルコール性肝炎

 お酒の飲み方によって健康への影響は違ってくることが、厚生労働省研究班「多目的コホート研究(JPHC研究)」(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)の調査研究によって明らかになった。
「休肝日」がある場合とない場合で死亡リスクは変わる
お酒を飲む人は休肝日をつくり飲み過ぎないことが大切
 これまでの研究では、日本人男性で1日当たり平均1合(日本酒換算)を超える飲酒で、総死亡、がん、全脳卒中、自殺のリスクが高くなると報告した。いずれも調査時点での対象者の年齢が日本人の平均寿命前であることから、お酒は飲んでも1日当たり日本酒換算で1合までが適量であり、それ以上の飲酒習慣はさまざまな疾患や寿命前の死亡の原因となっていると考えられた。

 今回の調査では、同程度の飲酒でも飲み方によって、健康への影響はどのように変わるかが調べられた。調査は1990年と1993年に、茨城、新潟、高知、長崎、沖縄の5県に住んでいた40〜69歳の男性に、1週間当りの飲酒量や飲酒習慣、顔が赤くなるかなどを尋ね、発症率を9年間追跡した。

 対象となった男性は約4万2,000人で、そのうち飲酒習慣のある人が約3万2,000人だった。うち週に3日以上休肝日がある人が4割、ない(週に5日から7日飲む)人が6割だった。

 週1日から2日、週3日から4日、週5日から毎日の3つの飲酒パターンで、飲酒量を同程度にした場合の総死亡のリスクは、1日から2日の人に比べ、5日から7日の人で日本酒換算で13合から19.5合飲む人で1.5倍、それ以上飲む人では1.8倍高くなった。

 ただし、休肝日があればたくさん飲んでよいというわけではなく、飲酒量が極端に多い人では、休肝日があっても死亡リスクが高い傾向があったという。

 今回の研究結果について、研究に加わった丸亀知美・国立がんセンターがん情報・統計部研究員は、「この研究を含む多くの研究結果から、1日平均2合以上の多量飲酒は死亡のリスクが高くなるという結果が出ている。休肝日をもうけつつ、お酒はやはり1日平均で1合から2合程度にするほうがよいだろう。休肝日は、総飲酒量を減らすという観点からも重要」と話す。

「お酒が心筋梗塞を予防」があてはまるのは、過度な飲酒を行わない人だけ
 またこのコホート研究では、適度な飲酒を続けている人では心筋梗塞の発症が減る傾向があることが日本人男性でも確かめられた。

 調査は、1993年に茨城、新潟、高知、長崎、沖縄の5県に住んでいた40〜69歳の男性約2万3,000人に、飲酒習慣や顔が赤くなるかなどを尋ね、発症率を9年間追跡し調査した。

 9年間に急性心筋梗塞になったのは170人。酒を飲まないグループの心筋梗塞のリスクを1とすると、1日に飲む量が「1合未満」、「1合から2合」のグループのリスクは、顔が赤くなるかどうかに関係なく0.5前後だった。その効果は、お酒で顔が赤くなる・ならないに関わらず認められたという。

 アルコール飲料には善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールを増やす作用や、血液を固まりにくくする作用があると考えられており、欧米でも飲酒の心筋梗塞を予防する効果が報告されているが、今回の研究では、この効果がみられるのは過度な飲酒を行わない人のみで、飲酒量が増えると死亡率が高くなることが示された。

厚生労働省研究班「多目的コホート研究(JPHC研究)」

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