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日本の肥満率は米国の10分の1 OECD医療調査

キーワード: 肥満症/メタボリックシンドローム 生活習慣病の医療費

 先進国30ヵ国が加盟する経済協力開発機構(OECD)がこのほど発表した「保健医療総覧2009(OECD Health at a Glance 2009)」によると、日本人の平均寿命や医療・保健サービスは世界トップだが、健診や初期診療には課題があるという。

 「総覧」は、今年7月にOECDがまとめた保険・医療関連の調査報告などを基に、先進国を中心とする加盟国の保健医療状況を分析したもの。
子供と成人の肥満率上昇が課題
 それによると、「OECD加盟国全体で保険・医療サービスは急速に改善している。しかし、2型糖尿病などの慢性疾患の有病率が上昇しているにもかかわらず、現状では適切な対策が行き届いていない」という。さらに、「将来的に医療関連の支出を増加させる可能性が高い要因は、子供と成人の肥満率の上昇」として、医療・保健上の対策を施す必要があると指摘している。

 米国、メキシコ、トルコ以外のOECD加盟国では、国民皆保険制度やそれに近い制度の整備が進められており、多くの国で国民は基本的な医療サービスを受けやすくなっている。その一方で、医療関連の支出も増加し、国民所得に占める割合は上昇の一途をたどっている。

 OECD事務総長のアンヘル グリア氏は「健診と治療を適切に行わないと、健康状態の悪化と医療費の上昇を招く。健診と初期診療を充実させることが重要だ。保健医療制度を改善するために、必ずしも医療関連の支出を増やす必要はない」と述べている。

 日本に関連する主なデータは次の通り

  • 日本人の平均寿命は加盟国中でもっとも長い82.6歳(2007年)で、成人の肥満人口の割合は30ヵ国中でもっとも低い。

  • 体格指数(BMI)が30以上の肥満者の割合のOECD加盟国の平均は15.4%。日本は3.4%と最少で、次いで少ないのは韓国の3.5%だった。米国は日本の10倍に当たる34.3%。ほかに英国(24.0%)などが高かった。
    ※ただし、日本人は欧米に比べBMIが比較的低くても2型糖尿病などを発症しやすいことが分かっており、肥満の判定基準も日本ではBMI25以上(BMI30以上は「高度肥満」)と厳しくしてある。「2008年度国民健康・栄養調査」によると、BMI25以上の肥満者の割合は成人男性の28.6%、女性の20.6%。

  • 医療費がGDPに占める割合は、日本は8.1%だった(2006年)。これは米国(16.0%)、フランス(11.0%)、スイス(10.8%)などより低く、OECD加盟国の平均8.9%に比べても低い。

  • 日本の医療関連の支出は1人当たり2581ドル(約24万円)で、OECD平均の2984ドル(約27万)より少ない。もっとも多いは米国の7290ドル(約58万円)だった。平均より多い国はルクセンブルク、ノルウェー、スイスなどで、低いのはトルコとメキシコなど(医療関連の支出は購買力平価で調整し算出)。

  • 日本の子宮頸がん、乳がん、結腸直腸のがん患者の生存率はOECD加盟国の中でも高いが、がん検診の受診率は低い傾向がある。OECD加盟国全体でがん医療が進歩しており、患者の生存率は年々高くなっている。特に米国とカナダはがん医療は適切で、高い検診受診率とがん患者生存率を達成している。

  • オランダ、イタリア、スイス、ドイツなどの先進国では健診と初期診療を充実させ、高額な医療費につながりやすい糖尿病などの慢性疾患に対策している。日本も高血圧や心臓病などの改善・予防に力を入れており、成果が期待されている。

  • 日本は医療機器の普及でもトップクラスで、人口100万人当たり磁気共鳴画像装置(MRI)は40.1台、コンピューター断層撮影装置(CT)は92.6台ともっとも高かった(OECD加盟国の平均はそれぞれ11.0台と22.8台)。

Health at a Glance 2009(OECD)
Chart set for Health at a Glance 2009(OECD)(パワーポイント)

(Terahata)

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