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体が硬いほど動脈硬化は進みやすい 国立栄養研など調査

キーワード: 心筋梗塞/狭心症 脳梗塞/脳出血 三多(多動・多休・多接) 身体活動・運動不足

 中高年の体力をみるとき、体の柔らかさをあらわす柔軟性は体力の重要な要素となる。座位体前屈で体が硬くなっている中高年では、動脈硬化の傾向が強くなるという研究が発表された。動脈硬化があると、心臓病や脳卒中などの動脈硬化性疾患をまねきやすくなる。

 この研究は、国立健康栄養研究所などの研究グループによって行われ、米国生理学会が発行する医学誌「Heart and Circulatory Physiology」10月号に掲載された。

 研究は成人526人(男性178人、女性348人)を対象に行われた。対象者を年齢別に20〜39歳(若年)、40〜59歳(中年)、60〜83歳(高齢)の3群に分け、さらに体の柔軟性によって2群に分けた。

 両膝を曲げずに座位姿勢をとった状態から前屈(長座位体前屈)をしてもらい、指先の位置から柔軟性を調べた。長座位体前屈は一般的には、17歳から18歳ぐらいまで数値が高くなり、それ以降は加齢にともない低下していく。

 動脈硬化は、腕と足首で「脈波伝播速度(PWV)」を測定し評価した。心臓から押し出された血液により生じる拍動が届く速度は、血管が硬いほど速くなる。PWVは動脈の硬さを示す指標となり、正常値は1400m/秒以下とされる。

 研究では、どの年齢層でも柔軟性が低く体が硬くなっている群の方がPWVは速く、動脈硬化が起こっていることが確かめられた。特に40〜59歳と60〜83歳では、柔軟性とPWVの値に負の相関があり、体が硬い人ほど動脈硬化の進行が早いことが示された。

 若年層で柔軟性が高い群の平均PWVは1080m/秒、低い群は1085/秒、中年層では高い群は1200/秒、低い群は1260/秒、高齢層では高い群は1384/秒、低い群は1485/秒と、年齢が上がるほど脈の伝わり方は速くなった。

 一般的に体力を知るための手段として、心肺機能の適応性、筋力や持久力などを調べ、酸素を呼吸や血液の循環で運ぶ能力をみる方法がある。研究ではそれに加え、柔軟性も体の動きを調節するために重要であることが示された。研究者らは、動脈硬化との関連についてさらに解明しなければならないとしながらも、「体力を良好に保つために柔軟性を保つことが重要な要素であることが確かめられた」と述べている。

柔軟性を高めるためにストレッチングが効果的
 体の柔軟性を高めるのに効果的な方法としてストレッチングが挙げられる。ストレッチングは、運動としての強度は低いが、筋肉や関節の柔軟性を高めることで筋肉や腱、靱帯、関節などの保護に役立ち、筋温や体温を上げる効果もある。
 ストレッチングは運動を始めるときの準備運動や、終えたときの整理運動として活用されているほか、ヨガやピラティスもストレッチングに含まれ、最近では姿勢保持やリラクゼーションの効果もあることもあきからになっている。

Poor trunk flexibility is associated with arterial stiffening
Heart and Circulatory Physiology; 297,1314-1318, 2009.

(Terahata)

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