2009年09月01日
甘味料「パラチノース」がGLP-1の分泌を促進 三井製糖
キーワード: 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 食生活
三井製糖は、同社が製造している甘味料「パラチノース」にGLP-1の分泌を促進する効果があることを実験で確かめたと発表した。GLP-1は小腸から分泌されるホルモン活性物質で、インスリン分泌を促す作用や食欲を抑える効果などが知られている。
メタボリックシンドロームの該当者か予備群と判定された成人男性16人(平均年齢41.5歳)を対象に、食後血糖などを調べられるように調整したクッキーと20gの砂糖かパラチノースを同時にとってもらい、血糖値、インスリン、GLP-1などを測定した。さらに、毎日20gの砂糖を摂取する群と、20gのパラチノースを摂取する群に分け、3〜4ヵ月間の介入試験を行った。 その結果、パラチノースを長期間とった群では血圧が低下し、糖代謝や脂質代謝に影響する生理活性物質であるアディポネクチンが増加する傾向がみられた。肝機能や脂肪肝などを調べるときの指標となるASTやγ-GTPは減少していた。 パラチノースは砂糖に微生物の酵素を作用させ製造する甘味料で、1980年代に三井製糖が量産化に成功した。砂糖(ショ糖)に比べ分解・吸収の速度が遅く、食後血糖値の上昇を抑制するなどの特徴がある。同社はこれまでの実験で、パラチノースを摂取し続けると空腹時のインスリン濃度が下がり、食後の過剰なインスリン分泌を抑える働きがあること、内臓脂肪が低減することなどを確かめている。 同社は「パラチノースをとると体質改善効果が出やすくなる」としており、パラチノースを有効成分とする肝機能改善剤の特許を出願している。今回の研究は5月に大阪で開催された第52回日本糖尿病学会年次学術集会で発表された。 メタボリックシンドロームをやっつけろ!-メタボリックシンドロームをパラチノースで撃退!(三井製糖(株))
[Terahata]