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CKD(慢性腎臓病)は国民病 治療で進行を抑制

キーワード: CKD(慢性腎臓病)

 日本医師会市民公開フォーラムが2月8日に東京の日本医師会会館で開催された。テーマは、知って防ごう「CKD(慢性腎臓病)」。

 「CKD(慢性腎臓病)」という言葉は、一般にはまだ耳慣れない言葉だが、日本人のおよそ8人に1人にあたる1300万人の患者がいるとみられており、新たな「国民病」として注目されている。
自覚症状がないのが怖い
日本医師会市民公開フォーラム
知って防ごう「CKD(慢性腎臓病)」


[日 時] 2009年2月8日(日) 午後2時-6時
[場 所] 日本医師会館大講堂(東京都文京区)
[内 容]
挨拶
唐澤祥人(日本医師会会長)
パネルディスカッション 知って防ごう「CKD(慢性腎臓病)」
司会:好本 惠(元NHKアナウンサー)
パネリスト:
菱田 明(浜松医科大学第一内科教授)
槇野博史(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科学教授/日本腎臓学会理事長)
内田 健夫(日本医師会常任理事)
リポーター:岩田まこ都(フリーアナウンサー)
 CKDは“尿蛋白が出ている”、“腎臓の機能低下”という状態のいずれかが3ヵ月以上続いている場合をいう。

 腎臓は血液中の老廃物をろ過し尿として排泄する臓器で、この機能は腎臓内の糸球体という細い血管の集合体で行われている。糸球体の血管が傷められるとろ過機能は徐々に低下し、不要なものが血液中に溜まったり、逆に必要なものが排泄されてしまうようになる。自覚症状がほとんどないまま進行し、進行すると尿に蛋白が排泄されるようになり、やがて腎不全に至って、腎臓の機能の一部を機械を使って補う透析療法が必要になる。また、腎機能の低下が進行すると、心筋梗塞や脳卒中など心血管疾患の発生率も高くなるので、適切な治療が必要となる。

 透析療法は医療機関で行う血液透析と、自宅や職場で行う腹膜透析がある。医療機関での血液透析は、週に2回から3回、4時間から5時間かけて行う。日本透析医学会が実施している最近の統計調査によると、国内で透析療法を受けている患者数は約28万人。毎年1万人ずつ増えており、国民の500人に1人が透析患者という計算になる。

 患者にとって透析療法は生活上の制約を強いられ負担が大きいが、医療費の面でも深刻で、腎疾患に関連する医療費は年間1兆5000億円を超えるとみられている。

早期発見と治療で進行を抑えられる
 CKDのなかでもっとも多い原疾患は糖尿病(糖尿病腎症)で、全体の43.4%に上る。CKDは早期発見し適正に治療すれば進行を抑えることができる。そのために、CKDを早期発見し、原因疾患となる糖尿病や高血圧などに対する治療を行い、腎臓機能の低下を抑制する必要がある。

 自覚症状の乏しいCKDの早期発見に役立つのが、尿中の蛋白質の量を調べる検査(アルブミン尿検査)と、血液中のクレアチニンを調べる血液検査。クレアチニンは血液中の老廃物のひとつで、通常であれば腎臓でろ過され、ほとんどが尿中に排出されるが、腎機能が低下していると、尿中に排出されずに血液中に蓄積される。この血液中のクレアチニンをあらわすのが「血清クレアチニン値」。

 過去に行われた研究では、CKDの危険因子となる高血糖(HbA1c)、高血圧、脂質異常のうち、治療を行い因子の数を減らすとアルブミン尿が減少することが確かめられた。また、2型糖尿病の早期腎症でも、血糖コントロールや血圧コントロールを改善することで、腎症の悪化を3割未満に抑えられたという研究報告がある。

 CKDを治療し腎不全や透析療法への進行を防ぐために、糖尿病や高血圧など原因となる病気の治療を行うことが重要。そのために、食事療法や生活習慣の改善のほか、糖尿病の治療、ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)やARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)などによる降圧治療、脂質異常症の治療などを行うことが必要となる。

 今回の市民公開フォーラムの詳細は後日、NHK教育テレビで放送される予定。関心のある方はご覧になってはいかがだろう。

日本医師会
日本慢性腎臓病対策協議会
日本透析医学会

(Terahata)

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