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たばこ包装の警告表示に写真も WHOが要請

キーワード: COPD(慢性閉塞性肺疾患) がん 「無煙」喫煙は万病の元 喫煙 健診・保健指導

 5月31日を「世界禁煙デー(World No Tobacco Day)」に定めている世界保健機関(WHO)は、喫煙により引き起こされる健康被害をたばこの箱に写真でわかりやすく表示するよう全加盟国の政府に対し求めた。

世界禁煙デーのパンフレット(WHO)

世界保健機関(WHO)
写真を使った健康警告は効果的
 2005年に発効した「たばこ規制枠組み条約」では、箱の30%以上の面積に健康被害について説明する警告文を印刷することを義務付けている。2009年の世界禁煙デーにWHOは「たばこの包装に健康被害を写した写真を表示し、さらに踏み込んだ対策が必要」と発表した。

 喫煙により肺がん、喉頭がん、口腔・咽頭がん、食道がん、胃がん、虚血性心疾患、脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患、歯周病などの病気や、流産など妊娠に関連した異常が増える。これらの生々しい写真を示し、警告表示を促すよう要請している。

 狙っているのは、喫煙が健康上の深刻な障害を引き起こし、命を危険にさらすおそれがあることを広く訴えること。喫煙の危険性についての認知を調べた研究では、多くの国でタバコが有害であることは知られていても、個々の健康上のリスクについては十分な理解を得られていないことがあきらかになった。

 2009年に中国で実施された調査では、喫煙が心疾患を引き起こすことを知っている人の割合は37%、脳卒中については17%にすぎなかった。他の国での調査でも同じような結果が示されている。

 写真を使った表示により、喫煙者には禁煙の必要の自覚を促し、たばこを吸わない人には喫煙への誘惑を断つ効果が得られるという。警告表示によりブラジルでの調査では喫煙者の54%が、カナダでの調査では58%が、シンガポールでは71%が、喫煙の健康に与える影響についての理解が変わったと回答した。

 WHOは「ほとんどの国で行われている喫煙の危険性を警告をする情報提供はまだ十分な内容ではない」と述べている。「たばこ製品の包装に表示する写真を含めた健康警告は喫煙をコントロールする戦略において重要。費用効果の点でも効果的だ」としている。

英国で実施された研究調査では、英国政府が設置したホームページで一般を対象に投票が行われた。「もっとも効果的」と評価されたのは、喫煙が引き起こした健康障害を写真で具体的に示したものだった。イラストなどで抽象的に表示したものは「効果的ではない」とされた。
喫煙による死亡数は年間540万人
 今年の世界禁煙デーのテーマは「たばこの健康に対する警告(Tobacco Health Warnings)」。WHOは世界で毎年540万人が死亡しているとみられるたばこの健康被害を世界的な課題と位置付けており、喫煙がもたらす健康上の深刻な障害として下記を強調している。
  • 喫煙は世界の年間540万人の死亡に関連している。これは成人の死亡の10分の1に相当する。
  • 世界の喫煙者数は10億人以上とみられる。たばこ製品は高所得国では減少しているが世界的には増加している。
  • 世界の喫煙者の80%以上は低所得・中所得の国に集中している。
  • 世界の子供の半分は、たばこによって汚染された空気を吸っている。
  • 20世紀にたばこによって死亡した総数は1億人に上るとみられる。この傾向が続けば、21世紀は死亡数が10億人に増加する。
  • たばこと関連のある未調査の死亡数は2030年までに年間800万以上に増加するとみられる。その8割は途上国に集中している。
 たばこ包装の写真表示について現段階では強制ではない。喫煙率の高い日本でも条約に従いたばこ包装に警告文を印刷しているが、今後対応を迫られる可能性がある。

真実を見せることが命を救う:健康被害について写真で示そう(WHO、英語)

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[Terahata]

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