2009年05月22日
「ひとり酒」は脳卒中リスクが高い? 飲酒と循環器疾患
キーワード: 高血圧 脂質異常症(高脂血症) 二少(少食・少酒) 肥満症/メタボリックシンドローム 心筋梗塞/狭心症 脳梗塞/脳出血 がん
ひとりでお酒を飲む男性は、友人や家族との社会的交流の多い男性に比べて、適量の飲酒であっても脳卒中のリスクが高くなるという研究結果が発表された。
飲酒は社会的な付き合いを円滑にするための手段として用いられることが多いが、日本人に多い脳卒中の発症に、家族や友人、同僚などの社会的な支えが影響している可能性が示唆される結果になった。
飲酒は社会的な付き合いを円滑にするための手段として用いられることが多いが、日本人に多い脳卒中の発症に、家族や友人、同僚などの社会的な支えが影響している可能性が示唆される結果になった。
この研究は、厚生労働省研究班「多目的コホート研究(JPHC研究)」(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)によるもの。これまでの研究で飲酒が脳卒中のリスクを増加させる傾向があることが示されているが、飲酒量と心理社会的な因子の影響について調査した研究は少ない。この研究は米医学誌「Alcoholism」6月号に発表された。
「社会的な支え」あると脳卒中発症が減る
研究班は、1993年に40歳から69歳だった茨城、新潟、高知、長崎、沖縄の男性約1万9000人を10年間追跡し、飲酒と循環器疾患の関係を調べた。約10年の追跡期間に、629人が脳卒中、207人が虚血性心疾患、合計836人が循環器疾患を発症した。
飲酒をしない人からエタノール換算で週に450g以上飲む人まで飲酒量によって7群に分け、循環器疾患の発症との関連を調べた。その結果、エタノール換算で週に300g未満までは全循環器疾患の発症リスクが低下したが、週に300g以上の大量飲酒では脳卒中の発症リスクが増加した。
脳卒中の発症比率は、エタノール換算で週に300g未満まではあまり変わらないが、300g以上になると1.4倍に増加した。週エタノール300gは1日平均にするとビール大瓶(633mL)では2本、日本酒では2合に相当する。脳卒中のタイプ別にみたところ、出血性脳卒中のリスクが特に高かった。
飲酒量と脳卒中発症との関連
に対する社会的な支えの影響
に対する社会的な支えの影響

Alcoholism: Clinical and Experimental Research: Volume 33 Issue 6, 1025-1032.
[Terahata]