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「ひとり酒」は脳卒中リスクが高い? 飲酒と循環器疾患

キーワード: 高血圧 脂質異常症(高脂血症) 二少(少食・少酒) 肥満症/メタボリックシンドローム 心筋梗塞/狭心症 脳梗塞/脳出血 がん

 ひとりでお酒を飲む男性は、友人や家族との社会的交流の多い男性に比べて、適量の飲酒であっても脳卒中のリスクが高くなるという研究結果が発表された。
 飲酒は社会的な付き合いを円滑にするための手段として用いられることが多いが、日本人に多い脳卒中の発症に、家族や友人、同僚などの社会的な支えが影響している可能性が示唆される結果になった。

 この研究は、厚生労働省研究班「多目的コホート研究(JPHC研究)」(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)によるもの。これまでの研究で飲酒が脳卒中のリスクを増加させる傾向があることが示されているが、飲酒量と心理社会的な因子の影響について調査した研究は少ない。この研究は米医学誌「Alcoholism」6月号に発表された。
「社会的な支え」あると脳卒中発症が減る
 研究班は、1993年に40歳から69歳だった茨城、新潟、高知、長崎、沖縄の男性約1万9000人を10年間追跡し、飲酒と循環器疾患の関係を調べた。約10年の追跡期間に、629人が脳卒中、207人が虚血性心疾患、合計836人が循環器疾患を発症した。

 飲酒をしない人からエタノール換算で週に450g以上飲む人まで飲酒量によって7群に分け、循環器疾患の発症との関連を調べた。その結果、エタノール換算で週に300g未満までは全循環器疾患の発症リスクが低下したが、週に300g以上の大量飲酒では脳卒中の発症リスクが増加した。

 脳卒中の発症比率は、エタノール換算で週に300g未満まではあまり変わらないが、300g以上になると1.4倍に増加した。週エタノール300gは1日平均にするとビール大瓶(633mL)では2本、日本酒では2合に相当する。脳卒中のタイプ別にみたところ、出血性脳卒中のリスクが特に高かった。

飲酒量と脳卒中発症との関連
に対する社会的な支えの影響
 次に研究班は、家族や友人などとの社会的な結びつきについて調査した。研究開始時に行ったアンケートで、(1)心が落ち着き安心できる人の有無、(2)週1回以上話す友人の人数、(3)行動や考えに賛成して支持してくれる人の有無、(4)秘密を打ち明けることのできる人の有無を調べスコア化し、社会的な支えが少ない群と多い群に区分して分析した。

 その結果、社会的な支えが少ない群の脳卒中の発症比率は、1日平均でビール大瓶1本(日本酒1合)未満を飲む群では、飲まない群に比べ1.2倍高いことが分かった。2本未満で1.8倍、3本未満で1.9倍の差が生じた。一方、社会的な支えが多い群では、2本未満までは0.7〜0.8倍と飲まない群より脳卒中の発症が少なかったが、2本以上の大量飲酒になると1.2倍前後に高まった。

 研究班の磯博康・大阪大学教授(公衆衛生学)は「循環器疾患の予防のためには大量飲酒は慎むべき。大腸がんや2型糖尿病は、週にエタノール換算で150g(1日平均ビール大瓶1本)以上からリスクが高くなる」と述べている。

 「飲酒習慣のある人は、1日平均で日本酒なら1合未満、ビールなら大瓶1本未満、焼酎なら0.6合未満、ワインならグラス2杯未満、ウィスキーならダブル1杯未満に控えた方が良い。休肝日がない人では死亡率が高くなるので、健康維持のために節酒と休肝日を組み合わせることが大切」としている。

多目的コホートに基づくがん予防など健康の維持・増進に役立つエビデンスの構築に関する研究(JPHC Study)
Alcoholism: Clinical and Experimental Research: Volume 33 Issue 6, 1025-1032.

(Terahata)

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