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肥満予防と適正体重の維持はエコにもつながる

キーワード: 肥満症/メタボリックシンドローム セルフケア 生活習慣病の医療費

 適正体重を維持することは地球環境にも良いという研究が発表された。世界の肥満とみられる10億人は、肥満ではない人に比べ、二酸化炭素(CO2)換算量にして1年当たり10億トンを余計に排出するという。この研究は医学誌「International Journal of Epidemiology」4月20日号に掲載された。
肥満の多い社会では温室効果ガスも増える
 世界規模でBMI(体格指数)平均値が上昇している。英国人の平均BMIは1994年から2004年にかけて、男性で26.0から27.3に、女性で25.8から26.9に増加した。BMI 30以上の肥満の割合は1970年代は3.5%だったが、2010年には40%に増えると予測されている。オーストラリア、アルゼンチン、ベルギー、カナダでも肥満は増加しており、米国では人口の4割が肥満とみられる。

 ロンドン大学衛生・熱帯医学大学院 疫学・公衆衛生学部門のPhil Edwards氏らによると、地球温暖化の要因は食料生産であり、食料の生産や輸送に必要なエネルギーや燃料消費の増加は、温室効果ガスによる地球温暖化につながっている。

 試算によると、肥満の多い社会では適正体重の多い社会に比べ、食料生産に必要なエネルギー排出量は10億人当たり年間2.7億トンから8.1億トン増加し、食料輸送などを合わせると増加分は4.4億トンから9.8億トンに上るという。一方で、肥満の少ない途上国では食料の消費量はおよそ2割少ない。

 Edwards氏らは「体重が増え肥満になると、体の維持や活動のため食事の摂取量が多くなる。これは燃費の悪い車を乗り回すのに似ている。体が重くなるにつれ運動は困難で不快なものになり、車に依存するようになる。肥満を予防し標準体重を維持することは健康だけでなく、環境にとっても良い面がある」と述べている。

 標準体重の人では輸送に要するエネルギーもより少なくて済み、温室効果ガスの排出も少なくなる。世界的な肥満の増加について「肥満予防は気候変動を減速するためにも重要。肥満へ向かう動向をくいとめる努力をもっと行うべきだ」と指摘している。

日本人でも肥満が増加
 BMI(体格指数)は、肥満の程度を表す指標。日本肥満学会の基準ではBMI 25以上を肥満と判定するが、WHOの判定基準ではBMI 30以上を肥満と判定する。

 日本人では欧米人に比べ「BMI 30以上」は少ないが、男性では全ての年齢層でBMI 25以上の割合が20年前、10年前と比べて増えた。「2007年国民健康・栄養調査」によるとBMI 25以上の肥満の割合は1976年は15.2%だったが、2007年には30.4%になり30年でほぼ倍増した。

適正体重の維持は地球環境にも良い(ロンドン大学リリース、英文)
International Journal of Epidemiology, doi:10.1093/ije/dyp172(英文)

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(Terahata)

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