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塩分とりすぎで循環器病リスクが高まる「塩分を控えめに」

キーワード: 高血圧 脂質異常症(高脂血症) 糖尿病 心筋梗塞/狭心症 がん

 日本人の塩分摂取量は多い。塩漬けの魚や干物などの塩蔵食品を多くとり、塩分をとりすぎる食生活を続けると、心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患やがんの発症リスクが高まることが、厚生労働省研究班の大規模調査で確かめられた。
塩分摂取量が多いと循環器疾患リスクが高まる
 この研究は、厚生労働省研究班「多目的コホート研究(JPHC研究)」(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)によるもので、米国栄養学会が発行する医学誌「American Journal of Clinical Nutrition」2010年2月号に発表された。

 対象となったのは岩手、秋田、長野、沖縄、茨城、新潟、高知、長崎、沖縄の8県に住む45歳から74歳の約8万人。1995年と98年に生活習慣に関するアンケートを行い、6〜9年間の調査期間中の塩分・塩蔵食品の摂取量と、がん、循環器疾患の発症との関連に着目した。

 研究では、対象者を食事の塩分(ナトリウム)摂取量と、塩蔵魚類や干魚、漬物や塩辛、たらこなどの食品の摂取量によって、それぞれ5グループに分け、調査期間中のがんや循環器疾患の発症状況を調べた。期間中に4476人が何らかのがんと診断され、また2066人に循環器疾患(脳卒中・心筋梗塞)の発症が確認された。

 解析した結果、塩分摂取量が多いグループ(1日当たり平均17.8g)は、少ないグループ(同7.5g)に比べ、循環器疾患の危険性が約2割高かった。また、塩蔵食品の摂取量が多いグループは、何らかのがんを発症する危険性が約1割高かった。

 漬物や塩蔵魚の摂取量が多いグループの循環器疾患の危険性は高くならなかった。漬物の野菜に循環器疾患の予防に良いとされるカリウム・抗酸化物質など栄養素が、魚介類にはEPAやDHAなどn-3系の不飽和脂肪酸が多く含まれるためとみられる。

血圧を下げるために塩分を控える
 塩分のとりすぎが高血圧と関連があることはよく知られている。塩分をとりすぎていると、血圧が高くなり、脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患の危険を高めることが、これまでの研究でも確かめられている。

 研究班では「塩蔵食品を控え、食卓や調味でのしょうゆや塩分、味付けを控えることで、がんと循環器疾患のどちらも予防できるだろう。魚は心筋梗塞の予防になるので、塩蔵や干物の魚類を多く食べる人は薄味や生鮮ものを選ぶと良いのではないか」と述べている。

 高血圧は日本人に多い病気で、2000年の第5次循環器疾患基礎調査によると、30歳以上の男性は約51.7%、女性は39.7%が高血圧(140/90mmHg以上)となっている。今回の研究では、日本人の平均的な塩分摂取量は欧米人に比べ多く、塩蔵食品以外の調味料などからの塩分の割合も高いことが、あらためて確かめられた。

 塩分摂取量を減らすと、高血圧患者では血圧が下がることが、さまざまな研究で示されている。それに加えて減量、野菜などを積極的にとる食生活、運動、禁煙・節酒などの生活習慣の改善により血圧を下げることが期待でき、降圧薬で治療している患者では薬の減量につながる。このことは高血圧以外の心血管病や、腎臓病の予防・改善においても重要で、糖尿病の治療とも重なる部分が多い。

 日本人の平均的な1日の塩分摂取量は少しずつ減ってきているが、成人男性で11.9g、女性で10.1gと10gを超えている。日本高血圧学会がまとめた「高血圧治療ガイドライン(JSH2009)」では、1日の塩分摂取量を6g未満に抑えることを勧めている。

多目的コホートに基づくがん予防など健康の維持・増進に役立つエビデンスの構築に関する研究(JPHC Study)
Consumption of sodium and salted foods in relation to cancer and cardiovascular disease: the Japan Public Health Center?based Prospective Study
American Journal of Clinical Nutrition, 91: 456-464, 2010

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(Terahata)

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