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小児肥満:孤食+睡眠不足+テレビ視聴で1.7倍に 米調査

キーワード: 肥満症/メタボリックシンドローム

 幼児が1人で食事をとっていたり、睡眠不足、テレビの視聴が多いという3要素がそろうと、そうではない幼児に比べて肥満の割合が1.7倍に増えることが、米オハイオ州立大学などの研究チームの調査で分かった。子供の肥満は将来に生活習慣病の発症につながるおれそがあり、研究者らは「専門家が支援する必要がある」と述べている。
3項目の生活習慣が子供の肥満に影響
 オハイオ州立大学疫学准教授のSarah Anderson氏と、テンプル大学公衆衛生・小児科学教授のRobert Whitaker氏らは、2001年に米国で生まれた子供8550人を対象に、2005年に収集したデータを解析した。研究データは「就学前・初等教育の縦断的研究」、「出生コホート」、米国教育統計局(NCES)による米国の初等教育児の学習環境、健康、成長に関する研究の一部として収集された。

 小児肥満を、テレビ視聴、睡眠不足、家族とともにとる食事といった個々の条件で調査した研究はこれまでも行われているが、就学前の児童を全国で調査し、肥満率を生活全般に及ぶ項目の組合せで評価した研究はこれが初めてだという。

 研究者らは、就学前の児童の家庭での3項目の生活習慣と小児肥満との関連を調べた。3項目とは、▽家族と週に5回以上昼食をとっている、▽1晩に睡眠を10.5時間以上とっている、▽平日のテレビの視聴時間は1日2時間未満。

 子供の肥満傾向を、体格指数(BMI)と年齢、性別を調整し、米国疾病管理予防センターが2000年に開発した成長曲線にもとづき判定した。BMIスコアが百分位で95を超えている場合に肥満とした。

 その結果、肥満児の割合は全体では18%だったが、4歳児では3項目を全て満たしている世帯の肥満率は14.3%だった。対照的に、いずれも満たしていない世帯では24.5%に増え、ほぼ4人に1人が肥満という結果になった。さらに、項目が少ないほど肥満のリスクは高くなり、項目が2つや3つに増えると肥満に対する予防効果が働く傾向がみてとれた。

 また、▽週に6日以上、夕食を子供とともにとっている家庭は56.6%、▽週に6日以上10.5時間の睡眠をとっている子供の割合は、就学前児童では57.5%、▽テレビの視聴時間は2時間未満に制限している家庭が40.4%――という結果になった。

子供の肥満は親と医師が協力して対策
 「テレビ視聴の制限や適切な睡眠など、どのような生活習慣改善が効果的かを知りたいという人は多い。しかしこうした項目のどれか1つだけを指摘するのは難しい。肥満リスクは、どれか1つだけ該当しても高くなるが、複数が重なるとさらに高くなる」とAnderson氏は話す。

 「さらに研究が必要だが、これら3項目が子供の肥満予防を促進するのに有効であり、幼い子供のいる家庭を肥満から保護する予防戦略になる可能性がある。子供では体重増加に着目した指導は難しいので、両親と小児科医の双方で対策してもらうことが有用だろう」と述べている。

 「親は子供の体重が心配なときは医師に相談した方が良い。食事を規則的に親子でとり、テレビの視聴を制限し、睡眠を十分にとるのが困難な家庭もある。家庭の環境や条件に制限があるとき、親子は問題を解決するために何が必要となるかを考え悩むだろう。これらの家庭での生活習慣を改善するために支援しなければならない」。

 この研究は、米農務省経済調査局の「食料援助・栄養調査プログラム」による資金提供を受け実施され、米国小児科学会が発行する医学誌「Pediatrics(小児科学)」オンライン版に2月8日付で発表された。

Family meals, adequate sleep and limited TV may lower childhood obesity(オハイオ州立大学)
Household Routines and Obesity in US Preschool-Aged Children
PEDIATRICS, doi:10.1542/peds.2009-0417

(Terahata)

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