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女子栄養大と協働し葉酸プロジェクト [埼玉県坂戸市]

キーワード: 脳梗塞/脳出血 認知症 健診・保健指導

坂戸市葉酸プロジェクトポスター

シンボルマーク「さかど葉酸マーク」

 都心から近くベッドタウンとして人口が急増している埼玉県坂戸市は、女子栄養大学と協働で、地元産の野菜から、動脈硬化などの予防効果があるといわれる「葉酸」を市民に1日400μg摂取してもらう運動を進めている。

 葉酸は、ブロッコリーやほうれん草などの緑黄色野菜やレバーに多く含まれているビタミンB群の一種。動脈硬化の原因となる「ホモシステイン」から必須アミノ酸である「メチオニン」を生成するのに葉酸が必要とされ、不足するとホモシステインが血中に蓄積し、動脈硬化の危険が高まると考えられている。妊娠初期時に胎児が正常に発育するために重要なビタミンといわれており、厚労省が定めた食事摂取基準では1日240μgを推奨量としている。

 葉酸は、ほうれん草の抽出物から発見された水溶性のビタミンB群の一種で、緑黄色野菜やレバーに多く含まれている。野菜などで葉酸を多くとっている人では脳卒中、心筋梗塞などの発症が減るという研究が発表されている。

 野菜の可食部100gに含まれる量は、アスパラガス 180μg、えだまめ 260μg、ブロッコリー 120μg、ほうれん草 110μg程度(五訂日本食品標準成分表)。「日本人の食事摂取基準」(2010年版)では、18歳以上の成人の1日の平均必要量は1日200μg、推奨量は240μgとされている。2006年の国民健康・栄養調査によると、日本人の葉酸の平均摂取量は男性 314μg、女性 299μg。

地元産の野菜で葉酸を摂取 プロジェクトを開始
 香川靖雄・女子栄養大学副学長らが行った葉酸についての研究で、脳梗塞や認知症などの予防に影響があることが示された。これを受けて坂戸市が、市民に葉酸を含む地元産の野菜を多く食べてもらうことが、健康増進や地域コミュニティ再生、地産解消に役立つと思い立ち、伊利市長が音頭をとり「地域コミュニティ再構築による健康づくり〜地域展開方策としての坂戸市葉酸プロジェクト〜」を開始した。このプロジェクトは2006年に内閣府より地域再生計画に認定されている。

 市では健康で安心して暮らせるまちづくりを目指し「健康なまちづくり計画」を策定し2004年度に開始。メンバーを市民から公募し「元気にし隊」を結成し、企業やボランティア団体などが加入する「応援し隊」と連携し、市民の健康増進を促進する事業を展開している。市民の健康への意識の高まりを受け、2006年に「健康づくり政策室」を設置し、女子栄養大学の研究を健康づくりに活かす“葉酸プロジェクト”に乗りだした。

 食品に含まれる葉酸は、比較的体内で吸収されにくいことが知られている。そのためプロジェクトでは厚生労働省の1日当たり摂取推奨量240μgに対し、400μgの摂取を提唱。ポスターや冊子などで地元産の野菜と含まれる葉酸量を紹介し食生活の改善を啓発するほか、女子栄養大学との協働により「認知症予防と食の講習会」を開催している。

 葉酸を強化した食品開発も進めており、葉酸入りパン「さかど葉酸ブレッド」を地元企業と共同開発し学校給食にも導入しているほか、レトルトカレー、うどん、ドレッシング、たまごなどにも葉酸食品を拡大している。

 地元農産物を活用したヘルシーメニューを提供する店舗を「健康づくり応援店」として認定する制度も始め、ホームページで46店舗を紹介している。2010年には既存施設をリニューアルし、運動指導を行う健康増進施設に拡張する準備を進めている。

 その成果があらわれはじめており、医療費の伸び率は県下最低の増加率に低下し、介護保険1人当たり給付費も減少を続けているという。市では「健康に対する取組みは地盤づくりが大切。プロジェクトには2年がかりで取り組んだ」と述べている。

おいでおいで健康づくり(健康日本21坂戸市計画)
「日本人の食事摂取基準」(2010年版)-葉酸(PDF)

(Terahata)

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