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加齢に伴う歯周炎の進行 プラークに加え過剰な免疫反応も関与

キーワード: 歯周病

 花王は2月23日、加齢に伴う歯周炎の進行の原因をさぐった研究成果を発表した。加齢に伴う過剰な免疫反応が関係している可能性があるという。花王ヒューマンヘルスケア研究センターは、歯周炎の増加の原因について発症メカニズムからアプローチする研究を行っている。今回の発表は長崎大大学院医歯薬学総合研究科の原宜興教授との共同研究の成果。

 歯周病は歯肉炎と歯周炎(歯槽膿漏)の総称で、歯周炎は歯肉や歯槽骨(歯の周囲にあり、歯を支える骨)などの歯を支える土台となる組織が破壊されてしまう病気。歯周炎のメカニズムについては、プラーク(歯垢)中の歯周病関連細菌の毒素が歯周組織を刺激し、歯肉の炎症や歯槽骨の溶解が起きることが知られている。加齢による歯周炎の罹患率の増加については、これまでに免疫反応の関与が指摘されているが、詳細はあきらかになっていない。

 研究では、健康な女性115人を対象に、歯周ポケットの深さや出血の有無、プラーク量などの口腔内診査、唾液中の歯周病関連細菌の量、血液中の歯周病関連細菌の毒素に対する抗体量の調査を実施した。

 その結果、加齢とともに歯周炎が進行している人の割合が増える傾向が認められたほか、以下のことが分かり、免疫反応による歯周炎の進行への影響が示唆された
▽歯周炎が進行している人ほど抗体が多い、▽歯周炎が進行している人ほどプラークが多い、▽歯周病関連細菌に対する抗体が多い人ほど、歯周炎が進行している、▽歯周病関連細菌の量よりも、その菌に対する抗体量の方が歯周炎の進行の程度との関連が強く認められる。

 研究ではまた、免疫反応が働く対象となる細菌(抗原)の毒素と、毒素に対する抗体(抗原に対して特異的に反応する物質)による免疫反応により、実験的に歯周炎を発生させる「歯周炎モデル」を作ることに成功した。

 これらの結果から、加齢に伴う歯周炎増加の原因のひとつとして、長い年月をかけて歯周病関連細菌に対する抗体量が増えることで、抗原を排除しようとする過剰な免疫反応が起こりやすくなることをつきとめた。これによって歯周炎の罹患率が増加する可能性が考えられるという。

 また、歯周炎を予防するために「歯周ポケットの深い部位における抗原の原因となる細菌の除去に加えて、抗原と抗体に起因する過剰な免疫反応を抑えることが重要」との考察を示している。

 研究成果を今後、同社のオーラルヘルスケア商品の開発に応用していくという。研究結果は、5月に盛岡市で開催される第53回春季日本歯周病学会学術大会で発表される予定。

花王(株)

[Terahata]

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