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【中年期の体重】 増えすぎても、減りすぎても危険性は高まる

キーワード: 肥満症/メタボリックシンドローム

 中年期以降に体重が大幅に減増した人では、生活習慣病の死亡リスクが高くなるという調査結果を、厚生労働省研究班(多目的コホート研究)がまとめた。中年期の5年間に体重があまり変化しなかった人に比べて、5kg以上の減少・増加のあった人では、総死亡リスクが1.3〜1.7倍に高まるという。特に体重が5kg以上減少した人で死亡リスクが高くなった。

 肥満は、高血圧や2型糖尿病、心筋梗塞やがんなどの生活習慣病の発症と関連があると考えられている。日本人では軽度の肥満であっても、発症リスクが高くなるという報告もある。

 欧米では体重の増減に焦点をあてた研究が報告され、痩せすぎていても、太りすぎていても、死亡率が高くなる傾向があるとされているが、日本人を対象とした研究は少ない。

 今回の研究は厚生労働省研究班「多目的コホート研究(JPHC)」(主任研究者:津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)によるもので、結果は医学誌「International Journal of Obesity」に発表された。

適正体重を維持することが鍵
 研究班は40〜69歳の男女約8万人を対象に調査。5年間の体重変化を調べ、その後の約9年間の生活習慣病や死亡率を追跡して調べた。対象となったのは岩手、秋田、長野、沖縄、東京、茨城、新潟、高知、長崎、沖縄、大阪の11保健所の所管内に居住し、調査期間中にがんや循環器疾患を発症しなかった男女。1990〜2005年の追跡結果をもとに解析した。

 体重変化の幅により5つのグループに分け、「2.4kg以内の変化」のグループを基準にして、「5kg以上減少」、「2.5〜4.9kg減少」、「2.5〜4.9kg増加」、「5kg以上増加」のグループで、それぞれ死亡リスクを死因別に調べ比較した。

 その結果、体重は増えすぎても、減りすぎても、統計的に死亡リスクが高くなることが分かった。主な内容は次の通り――

  • 「5kg以上増加」のグループで、総死亡リスクは男性1.3倍、女性1.3倍に上昇。
  • 「5kg以上増加」のグループで、女性の循環器死亡リスクは1.9倍に上昇。
  • 「5kg以上減少」のグループで、総死亡リスクは男性1.4倍、女性1.7倍に上昇。
  • 「5kg以上減少」のグループで、がん死亡リスクは男性1.5倍、女性1.5倍に上昇。

 特に死亡リスクが上昇したのは、ベースライン時の体格指数(BMI)や年齢、喫煙習慣の有無にかかわらず、体重が5kg以上減った人だった。変化が少ない人と比べると、死亡リスクは男性で1.4倍、女性で1.7倍に上昇した。

中年期5年間の体重変化と総死亡リスク

 体格指数(BMI)でも比較したところ、死亡リスクに影響するのはBMIよりも、体重の増減であることが示された。ベースライン時のBMIにより「22未満(痩せぎみ)」、「22以上25未満(普通)」、「25以上(肥満)」の群に分け、その後の体重変化と総死亡との関連をみたところ、BMIにかかわらず、体重があまり変化しなかった群と比べて「5kg以上減少」もしくは「5kg以上増加」した群で、男女ともに総死亡のリスクが高くなった。この傾向は痩せぎみの群で特に顕著だった。

 研究班では「今回の研究では、中年期における大幅な体重の減少と増加がともにその後の死亡リスクの上昇に関連していることが示された。肥満や体重増加が注目されがちだが、痩せや体重減少の健康への影響はあまり知られていない。特に大幅な体重減少は死亡リスクを高める可能性がある。中年期は適正な体重を維持することが重要ではないか」と述べている。

 なお、今回の調査では体重減少の理由までは把握しておらず、対象となったのは多くは健康な人だった。「病気の治療として減量している人は医師に相談し指示してもらった方が良い」としている。

多目的コホートに基づくがん予防など健康の維持・増進に役立つエビデンスの構築に関する研究(JPHC Study)

[Terahata]

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