一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

「痛風」が3倍超に増加 痛風ガイドライン8年ぶり改訂

キーワード: 脂質異常症(高脂血症) 高尿酸血症/痛風 「少酒」お酒はほどほどに

 8年ぶりの改訂となる「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」(第2版)を日本痛風・核酸代謝学会が編集、1月に発行した。高血圧などの他の疾患でガイドラインが作成されたことや、腎臓病やメタボとの関連で調査結果が多く発表されたことが反映されている。痛風予備群の人にも大いに参考になりそうだ。

 高尿酸血症(痛風)は、体の新陳代謝で発生する老廃物である尿酸が増えすぎて引き起こされる病気。血液中の尿酸の濃度が上昇した状態が続くと、体内で結晶化し、関節や腎臓などに蓄積され発作が起こる。

痛風発症リスクを増やす要因
  • 肉類や魚介類の摂取が多いと増える。
  • アルコール(特にビール)の摂取量が多いほど増える。
  • 糖分の多い飲料を週に5〜6回以上飲むと増える。
  • 果物ジュースや糖分の多い果物をとりすぎると増える。
  • 体格指数(BMI)が高く肥満や太りすぎであると増える。

痛風発症リスクを減らす要因

  • プリン体を多く含む食品(動物の内臓、魚の干物など)を避ける。
  • 適度な運動をするとリスクは減る。適正体重を目標に、週3回程度の軽めの運動を継続するのが好ましい。
  • 食事ではバランスよく食べる。乳製品の摂取が多いと減るという報告がある。
  • アルコールを制限する。アルコール飲料は、プリン体の有無にかかわらず、尿酸値を上昇させる。高エネルギーなので、肥満の原因にもなる。
  • コーヒーを飲む杯数(1日)が多いとリスクが減るという報告がある。
「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第2版)」掲載データをもとに作成
 足の親ゆびの付け根の関節が赤く腫れて激しく痛みだすのが痛風の発作。発作がおさまっても適切な治療を行わないでいると再発するので、油断は禁物だ。

 痛風にかかるのはほとんどが男性で、患者数は他の生活習慣病と同様に増えている。調査によると痛風で通院する患者は、1986年から2004年にかけて3倍以上に増えている。肥満やメタボ、慢性腎症、脂質異常症など、動脈硬化が進行しやすい状態にあると、痛風も発症しやすくなる。

予防と治療:食事と運動で肥満に対策
 今回の改訂では、関節炎や腎障害などの尿酸沈着症に着目し、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えるものを高尿酸血症とした。予防・治療するために、最近の調査結果から食生活を中心とする生活習慣を改善する必要を強調していることも特徴となる。高尿酸血症の薬物療法を行っている患者でも、生活習慣改善はとても重要だ。

 尿酸値を下げるために有用なのは減量だ。高尿酸血症の患者の多くは太りすぎや肥満で、多くの場合で減量すると尿酸値も下がる。アルコールは尿酸の生産を促進させるので飲みすぎない、「プリン体」を多く含んだ食品を食べすぎない、水分をよくとるといった食生活の改善が勧められている。

 痛風の治療や予防では、尿酸のもとになるプリン体を多く含んだ食品を避けるよう指導される。ガイドラインでは食品ごとのプリン体含有量を表記している。

 肉類、魚介類、乳製品、野菜などプリン体含有量の多い食品について、それぞれ摂取量の多い集団と少ない集団の発症リスクを比較したデータを公開している。それによると、肉類、魚介類は摂取が多いとリスクは約1.4倍に増えるという。アルコールも発症リスクを増やす原因となる。特にビールを飲みすぎていると、リスクは約1.5倍に増える。

 一方、野菜はプリン体が多くても関係しないという結果になった。バランス良くとるのが大切で、乳製品は適度にとっているとリスクを0.6倍に下げるという。

 意外なところでは、コーヒーを多く飲む人では発症リスクが減るという調査結果が示された。1日に4〜5杯飲む集団では0.6倍、6杯以上飲む集団では0.4倍とリスクが低くなったという。コーヒーといえばカフェインだが、カフェイン抜きでもリスクは低かった。

日本痛風・核酸代謝学会
公益財団法人 痛風財団

[Terahata]

関連トピック

疾患 ▶ 脂質異常症(高脂血症)

2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2020年12月24日
【新型コロナ】年末年始は「真剣勝負の3週間」 みんなで危機感を共有しコロナ収束の突破口に
2020年12月24日
【新型コロナ】医療機関の受診控えで健康リスクが上昇 日本医師会は安心マークを発行「感染防止を徹底しているから、安心して来て」
2020年12月14日
【新型コロナ】新型コロナとインフルの同時流行に備えて 発熱したら電話で「かかりつけ医」に相談 上手な医療のかかり方プロジェクト

疾患 ▶ 高尿酸血症/痛風

2020年11月09日
【新型コロナ】なぜ肥満と高齢の人は重症化しやすい? いま求められている対策は何か?
2020年09月29日
新型コロナウイルス感染症対策としてのステイホームやリモートワークが高尿酸血症や痛風の有病率および受診率に及ぼす影響 ―医師338名への緊急アンケートから見えてきた現状―
2020年01月09日
7月12日は「人間ドックの日」 ロゴマークの募集を開始 日本人間ドック学会
2019年12月12日
【セミナーレポート】疾病リスクマーカーとして注目すべき尿酸値に関する新知見
2019年10月17日
体重を3%減らすだけで肥満症を改善 肥満解消のための実践的取組み 【日本肥満症予防協会セミナー・レポート】

一無・二少・三多 ▶ 「少酒」お酒はほどほどに

2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2021年01月15日
働く人がうつ病になると 「就労の継続への不安」「新型コロナは心身にストレス」 うつ病患者対象の全国調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】がん検診の受診者が減少 このままだと死亡リスクが上昇 コロナ下でも「がん検診は必要」
2020年12月14日
肥満や糖尿病に「コーヒー・緑茶・アルコール」は良い・悪い? どれくらい飲むと健康効果を期待できる?
全国生活習慣病予防月間
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート