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AEDによる救命処置は予後改善にも有効 初の全国調査

キーワード: 心筋梗塞/狭心症

 AED(自動体外式除細動器)を設置することで、一般市民による早期除細動の回数が増え、患者の救命率は大きく向上する。さらには心臓発作の予後改善にも有効であり、患者の社会復帰率が向上するとの研究が先月発表された。
公共の場でのAED設置が、心臓発作の予後改善に有効
 AED(自動体外式除細動器)は、心室細動(心臓がけいれんし、血液を流すポンプ機能を失った状態)を起こした心臓に電気ショックを与え、心臓の動きを正常に戻すための医療機器。2004年7月より一般市民でも使用できるようになり、病院や診療所、救急車だけでなく、学校や空港、公共施設など人が集まる場所に設置されている。

 日本は全国的にAEDの普及が進んでいる。資格がなくても誰でもAEDを使用することができるが、使用方法と心肺蘇生法を学ぶことができる講習会も各地で開催されている。

 京都大学保健管理センターの研究チームによって行われた研究は、病院以外で心停止となった患者に救急蘇生を試みたとき、患者の生存率を改善し後遺症を抑えられるかを調べたもの。全国の消防機関の全例登録調査をもとに、3年間に病院以外で心停止を起こした31万2000人を超える患者のデータを検討した。研究結果は米医学誌「New England Journal of Medicine」3月18日号に発表された。

 31万2,319人の患者のうち、心筋梗塞や不整脈などで心室細動を起こし、居あわせた人に目撃された人は1万2,631人。うちの462人(3.7%)が一般市民によってAEDでの救急処置を施され、31.6%が後遺症を最小に抑えられ、1ヵ月後に社会復帰した。これに対して、AEDでの救急処置が行われずに、最初に救急隊の処置を受けた患者で社会復帰したのは14.0%だった。

 一般市民がAEDを使用した例は3年間の平均3.7%だが、研究開始時の1.2%から終了時には6.2%と、AEDの設置が増えるに従い利用数も増加した。また、患者がAEDによる処置を受けるまでの平均時間は3.7分から2.2分に短縮されたほか、神経障害を残さず回復した患者の数は人口1,000万人あたり2.4人から8.9人に増加した。

 また、AED設置台数が1平方キロメートル当り1個未満から4個以上に増加すると、除細動までに要する時間は平均3.7分から2.2分に短縮し、社会復帰者数は年間に人口1000万人当り2.4人から8.9人に増加することも示された。

 研究者らは「AEDの設置を拡大することで、院外心停止患者に対する早期電気ショックができるようになり、心停止後の救命率が向上することを世界で初めて示した」として、AEDの重要性を強調している。救急隊到着前にAEDを使用し心肺蘇生を開始することで救命率は大きく改善し、「1分早いと社会復帰は9%増加する」という。

 研究グループでは、「まだAED設置密度が十分な地域は少ないので、さらに設置が望ましい」としている。

京都大学

[Terahata]

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