2010年06月28日
高齢者の転倒予防のための新しい運動法を開発 京都大など
キーワード: 三多(多動・多休・多接) 身体活動・運動不足
高齢者では、運動能力の低下による転倒骨折への対策が、寝たきりや介護の予防として有用だ。そのため高齢者の転倒予防に着目した効果的な運動法が京都大学などで考案された。
2つのことを同時に行う能力を若返らせる運動
高齢者では、歩きながら電話をするなど、2つのことを同時に行う「二重課題(dual task)」の能力が低下していると、転倒しやすくなる。この能力が低下していると、歩行中に考え事をしていて障害物に気がつかないなどの理由で転倒しやすくなる。
そこで、京都大学医学研究科の山田実氏(人間健康科学系専攻理学療法学)らは、2つの課題を同時に行う運動「dual task能力向上プログラム」を開発した。
研究では、脳と体を同時に刺激するエクササイズを実施することで、dual task能力が向上することがあきらかになったという。例えば手拍子に合わせて足踏みしながら、指示された方向やその逆方向に動くなどの運動を続けると、高齢者の運動能力が向上するという。
京都大学と京都精華大学の教員や学生による合同研究室「ココカラボ」を設立、この運動法のイメージキャラクターやロゴマークを制作、パンフレットやアニメーションの制作も行った。
また、5月に東京で開催された日本整形外科学会主催「運動器の10年」市民公開イベントでも、ブース展示やステージイベントを開催した。
「今後はこのエクササイズを継続することで高齢者の転倒を予防することに取り組んでいく。世界へ向けて発信する表現も追及する」としている。
「ココカラボ」のロゴマークとイメージキャラクター

京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻


(Terahata)