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“元気な高齢者”が社会に活気をもたらす 国土交通白書

キーワード: 三多(多動・多休・多接)

 国土交通省は7月に「2009年度国土交通白書」を発表した。日本は大きな変化の中にあり、少子高齢化の進行などで不安を感じている国民が多い一方で、社会参加に積極的な“元気な高齢者”も増えているという。

 国土交通省の調査で、現在の社会を「活気がある」、「明るい」ととらえている人は5人に1人にとどまり、人口減少や少子高齢化の進行などで不安を感じ、「暗い社会」と感じる人が多いことが示された。

 一方で、活動的な“元気な高齢者”の存在感も高まっている。白書では、社会の活力を生み出すために、高齢者が活躍できるよう社会環境を整備したり、各地域で住みやすさなどの魅力を高める必要があるとしている。

人口減と高齢化が本格化
 1950年に8411万人であった日本の人口は、2004年をピークに減少に転じた。2010年時点で1億2738万人の人口は、2055年には8993万人と9000万人をきり約7割になると推計されている。これまでの日本の歴史をさかのぼっても、初めての事態を迎えている。

 また、日本では諸外国が経験したことのないような急激な少子高齢化が進んでいる。日本の人口の構成をみると、年少人口、生産年齢人口、老年人口は、2010年にはそれぞれ13%、64%、23%だが、2035年には9%、57%、34%となり、人口の3分の1以上が高齢者となる。人口が減少するだけではなく、その構成自体も大きく変わる。

半数が「暗い」、「活気がない」と感じている
 同省の調査によると、現在の社会に対して「暗い社会」、「活気がない社会」と感じている人が、それぞれ46.6%、52.3%とほぼ半数に上る。

 調査は、今年2月にインターネットを用い実施、成人男女4000人が回答した。今の社会を「活気がある」と回答したのは19.4%、「明るい」と答えた人も21.1%にとどまった。少子高齢化や人口減少が進む将来の社会のイメージでは「活気がある」が7.3%、「明るい」は8.5%だった。

 地域での暮らしや生活環境についても、6割近い人が満足している一方で、悩みや不安を感じているとする人がどの世代でも増加している。また、今後の生活の見通しについても、都市部、地方部ともに「悪くなっていく」と答える人が増加しており悲観的な見方が強まっているという。

 ただし、10年後の社会については、「活気がある社会」(30.3%)、「活気がない社会」(31.8%)と肯定的な見方が増える傾向がみられた。同省では「現在の社会に対しては大変厳しいが、将来の社会に対しては、肯定的な見方と否定的な見方が相半ばしており、ちょうど分岐点にある」と分析している。

存在感を高める“元気な高齢者”
 人口減少・少子高齢化の影響は、社会や地域、また個人のレベルで大きい。経済の基調が変化し、人の働き方なども変わってきている。個人の意識と行動が変化し、内向く若者と元気な高齢者といった構図がみえてきた。

 国交省の調査で、65歳からの暮らし方について聞いたところ、地域や社会と積極的に関わり合いたいと考えている高齢者は65歳以上で多かった。この世代では、買い物や友人と会うための外出頻度が高く、休日に旅行したり日帰りで遠出する人も多いという。

 世代別の運転免許保有率をみると、次に高齢期を迎える50歳代の運転免許保有率は84.9%で、現在の60歳代の保有率71.9%を上回っている。これは、将来の高齢者世代は、現在よりも自分で移動する手段をもち、身動きが軽いことを示している。また、インターネットの利用率は、60〜64歳について、2003年の39.0%に対し2008年は63.4%と大幅に高くなった。

 移動の面でも、情報へのアクセスの面でも、高齢者の自由度は増しつつある。高齢者は、従来のイメージを変えつつあるとともに、その増加によりふだんの活動で存在感を増している。

 白書では「既存のモデルが成り立たない部分も多く、これまでのやり方にはない大きな変革を日本の社会システムに実現していく必要がある」と指摘。新しい社会では“さまざまなものを見直す機会”、“新しいアイデアを生み出すチャンス”と強調している。

高齢者を地域・社会で支える取組み
 国交省の調査では、65歳以上の人々が暮らしやすい地域とするために行政が実施する施策として、特に「外出しやすいまちづくり」、「公共交通の確保・サービスの充実」について有効であると考えていることが分かった。

 少子高齢化が進むと、生産年齢人口の割合が減少し、これまでの社会とは異なる対応が求められる。豊かな少子高齢化社会をかたちづくるためには、行政による子育て支援や高齢者対策のみならず、地域・社会全体での取組みがなければなりたたない。

 世帯の状況をみると、単身高齢者世帯が増加し、三世代世帯の割合が低下する一方で、共働き世帯は増加傾向にある。子育て世帯の状況も変化しており、世帯の個別化の傾向が進んでいる。個々人の単位で生活する人々が増え、地域・社会との関わりが薄いと、特に単身高齢者は孤立化する可能性があるという。

 白書は各地で行政や民間企業などが知恵をだしあい、高齢者を地域や社会で支えながら、活力回復に取り組む必要性を強調。具体例として、送迎バスを運行していた医療機関や大学などによびかけて、一般の住民も利用できる官民共同運営のコミュニティーバスを立ち上げた北海道当別町の例などを紹介している。

社会に対する意識に新しい兆し
 個人の生活と社会に関する意識に変化が起こっており、「国や社会のことにもっと目を向けるべき」と考える人の割合が高まっている。

 調査によると、53.4%の人は「地域が元気になるための活動に参加したい」と考えており、その割合は5年前の調査の48.4%より増えている。また、地域で中心になり活動すべき者は「住民一人ひとり」と答えた人は62.2%で、「地方公共団体」(53.7%)を上回った。社会に目を向け、主体的に地域をよくしていこうとする意識が高まっている。

平成21年度国土交通白書(国土交通省)
「国民生活に関する世論調査」(内閣府)
「社会意識に関する世論調査」(内閣府)
「中高年者の高齢期への備えに関する調査」(内閣府)
「地方再生に関する特別世論調査」(内閣府)
「日本の世帯数の将来推計」(国立社会保障・人口問題研究所)

(Terahata)

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