米国の10万人以上を対象にした研究で、肥満の有無に関係なく、ウエスト周囲径が大きい人ほど、病気で死亡する可能性が高まることが確かめられた。米国医師会が発行する医学誌「Archives of Internal Medicine」に9月23日付で発表された。
ウエスト周囲径が大きい人では、腹部に内臓脂肪が多くたまっているおれそがあり、内臓脂肪はインスリン抵抗性や2型糖尿病、コレステロール異常、心臓病などの発症につながると考えられている。これらの病気の発症にもたらす影響は皮下脂肪よりも内臓脂肪で高い。
米国がん協会(American Cancer Society)のEric J. Jacobs博士らの研究チームは、50歳以上の男性4万8500人、女性5万6343人について(中央値は男性が69歳、女性が67歳)、腹囲径と死亡リスクとの関連を調べた。
この研究は、米国で実施されているがんの予防と生活習慣との関連を統計的に調べる大規模研究の栄養調査として実施されたもの。9年の調査期間中に男性9315人、女性5332人が死亡した。
標準体重の人でも内臓脂肪が多いと危険性が高まる
体格指数(BMI)などの危険要因などを調整して比較したところ、腹囲径が男性で120センチ以上、女性で110センチ以上の人では、それ未満の人に比べて何らかの病気で死亡する確率が約2倍になることがあきらかになった。
BMIから判定した標準体重や過体重、肥満という要因に関わらず、腹囲径が大きい人では死亡リスクが高くなり、特に女性では標準体重の人でもその傾向が強くみられた。
腹囲径が大きい人の死因でもっとも多かったのは呼吸器疾患で、心疾患とがんがこれに続いた。腹囲径が大きい人はそうでない人に比べて、「BMIが高い」、「運動不足」、「喫煙歴がある」、「心疾患やがん、呼吸器疾患の既往歴がある」などの傾向があることも分かった。
腹囲径を重視するメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の判定について、研究者の間でもさまざまな議論が行われている。米国立衛生研究所(NIH)のガイドラインでは、BMIが30以上で肥満と判定される米国人には減量を勧めている。
肥満と判定されない人でも、腹部に肥満がみられ(腹囲径が男性で102センチ以上、女性で88センチ以上)、心臓血管病の危険因子を2つ以上併せもっていれば、やはり減量を勧めている。しかし、腹囲径の測定を奨励するのは、過体重や肥満の人のみとなっている。
「今回の研究は肥満治療ガイドラインの改訂に影響をもたらすかもしれない。肥満ではないが腹囲径が大きい女性で死亡率が高くなった理由ははっきりと分からない。腹囲径と内臓脂肪やインスリン抵抗性との関連について、今後より詳細な調査が行う必要があるだろう」と研究者は述べている。
Larger Waist Associated With Greater Risk of Death
Waist Circumference and All-Cause Mortality in a Large US Cohort
Archives of Internal Medicine, Vol. 170 No. 15, Aug 9/23, 2010
(TERA)
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