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骨粗鬆症性骨折、検査と治療を 国際骨粗鬆症財団

キーワード: 骨粗鬆症/ロコモティブシンドローム/サルコペニア

 国際骨粗鬆症財団(IOF)は、毎年10月20日を「世界骨粗鬆症デー」と定めている。その一環として今年は、骨粗鬆症患者を診るプライマリケア医向けに、WHO(世界保健機関)が開発した骨折リスク評価ツール「FRAX」に関するレポートを発表した。骨粗鬆症から起こる骨折の多くが発見されておらず、適切な治療を促進する必要があると強調している。
骨粗鬆症性骨折は増加している
世界骨粗鬆症デーのポスター(ニューヨーク版)

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 骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気。初期には自覚症状が少なく、腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかるケースも多い。ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もある。

 骨粗鬆症は比較的、閉経期以降の女性や高年齢の男性に多くみられる。IOFのレポートによると、45歳以上の女性では、医療機関で骨粗鬆症の治療に費やされた日数は、糖尿病、心筋梗塞、乳がんなどの病気を上回っているという。日本をはじめ世界的に高齢化が進んでおり、骨粗鬆症は今後ますます増えていくとみられている。

 骨粗鬆症は医療機関での骨密度測定などで発見できる。いずれも苦痛を伴わず、短時間で検査できる。また、生活習慣病など他の病気が原因と疑われるときには、血液検査や尿検査も行われるので、病気を早期発見するために有用だ。長年の生活習慣が原因となることも知られており、骨粗鬆症にならないように予防を心がけることも大切となる。

骨粗鬆症性骨折のリスクを知り治療
 FRAXは、欧州、北米、アジア、オーストラリアでのコホート研究をもとに、WHO(世界保健機関)が開発した、患者の骨折リスクを評価するためのツール。骨粗鬆症による骨折のリスクを知り、適切な治療を促す狙いがある。骨折の危険因子と大腿骨頸部の骨密度(BMD)を組み合わせてリスクを計算する。

 ホームページでは、日本の骨折に関する疫学データをもとに作成された日本語バージョンも公開されている。臨床上の危険因子に関して、「はい/いいえ」で回答し入力すると、それぞれ10年以内の大腿骨近位部骨折と、主な骨粗鬆症性骨折(脊椎、前腕、股関節部、肩部)の発生リスクを予測し表示する。

 質問項目は、(1)年齢(40〜90歳)、(2)性別、(3)体重、(4)身長、(5)骨折歴、(6)両親の大腿骨近位部骨折歴、(7)現在の喫煙、(8)糖質コルチコイド、(9)関節リウマチ、(10)続発性骨粗鬆症、(11)アルコール(1日3単位以上)、(12)大腿骨頸部の骨密度(BMD)の12項目。

 骨粗鬆症の臨床的な診断は、それぞれの国のガイドラインに委ねられており、FRAXではプライマリケア医による早期診断を促す役割が期待されている。現在はバージョン3まで改訂が進み、現在では6言語・18ヵ国に対応しており、1日に6万回のヒットを得ているという。

脊椎骨折の3分の2は診断・治療が不十分
 国際骨粗鬆症財団(IOF)によると、世界で骨粗鬆症性骨折と新たに診断される数は2000年に900万を超えた。うち160万が股関節部骨折、170万は前腕骨折、140万は脊椎骨折だとみられている。半分以上は欧米に集中しているが、南東アジアや西太平洋地域でも増えている。高齢者人口が増えるにつれ、今後は2〜3倍に増えると予想されている。

 同財団は世界骨粗鬆症デーの一環として、骨量の低下とともに増加する脊椎骨折に関するレポートを発表した。それによると、脊椎骨折の3分の2は診断と適切な治療が行われていないという。

 骨粗鬆症があると、強い外力がなくても骨折が起こりやすくなる。背骨は骨折するたびに圧迫変形を起こして、次第に背中が円くなり猫背になる。長期間経過をみると、骨折を起こしたときには激しい痛みがあっても、骨折が治るとともに慢性的な痛みへと変わっていく。

 レポートでは、脊椎骨折が関節炎や単なる背部痛と誤診されているケースも多いので、適切な治療を促す必要があると指摘している。「特に高齢者では、脊椎骨折の影響は重大で、猫背や急性および慢性の背部痛のほかに、身長低下、寝たきり、抑うつ、ベッドで寝たきりの日数の増加、肺機能の低下をまねく場合がある」とJohn A. Kanis・IOF理事長は注意を呼びかけている。

 脊椎骨折は骨粗鬆症と関連することが多いが、X線検査などで脊椎骨折と診断され検査を受けているのは、実際には高齢女性の40%、高齢男性では20%に過ぎないという。

 「猫背、身長低下、突然に起こる重度の背部痛は3つの徴候だ。こうした患者は検査を受け、特に放射線検査で骨折を診断する必要がある」と米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のHarry K. Genant氏は指摘している。

骨折リスク評価ツール「FRAX」 - 計算ツール(日本語)
国際骨粗鬆症財団(IOF)ニュースルーム

財団法人骨粗鬆症財団
骨粗鬆症の検査や治療に関する一般的な情報のほか、FAQ(皆様からの質問)も。

(Terahata)

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