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食欲ホルモンが体重に影響 組合せによっては減量後にリバウンド

キーワード: 肥満症/メタボリックシンドローム 食生活

 ダイエットに挑戦し、食事の摂取エネルギーを管理しようとすると、イライラしてくるという人は多い。米国で最近発表された研究によると、ヒトの体からは食欲に関連するホルモンが分泌されており、その量によってダイエットで減量してもまた太りやすくなるという。あらかじめこのホルモン値を知ることができれば、より効果的な体重コントロールを実現できる可能性がある。

 食欲に関連するホルモンとして、「レプチン」と「グレリン」が知られている。レプチンは、脂肪組織によってつくりだされ、エネルギーの取込みと消費の調整において重要な役割を果たすホルモン。

 レプチンは食欲と代謝のコントロールを行うので、肥満に強く影響すると考えられている。血中レプチン濃度は個人差があり、肥満や過体重の人や体脂肪の多い人では上昇しやすいとされる。

 一方、グレリンは、胃から分泌されるホルモン。日本の研究者によって初めて発見されたグレリンは、食欲促進や、胃酸分泌の促進、心血管系の保護、エネルギー代謝調節などさまざまな作用が知られている。グレリンの作用を利用した新たな治療薬の開発も進められている。

“食欲ホルモン”が体重コントロールに影響
低レプチンの人は健康的な体重を維持
 「我々は、欲求に関連するホルモンであるレプチンとグレリンが、減量後の体重の変化にどのように影響するかを確かめる研究を行った」とサンティアゴ大学総合病院のAna Crujeiras氏は話す。この研究は「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism(臨床内分泌学・代謝学)」11月号に発表された。

 研究は肥満や過体重の男女104人を対象に行われた。エネルギーを低く調整した食事を8週間とってもらい、ダイエットの開始前と実施中、4ヵ月後に、体重と空腹時の血中レプチン値、グレリン値、インスリン値を測定した。

 その結果、ダイエット開始前にレプチンが高値で、グレリン低値だった人は、インスリン値に関係なくダイエット終了後に減量した体重が増加しやすいことが分かった。また、8週間のダイエットの後にグレリン値が減少したグループでは、体重が増えリバウンドした割合が約3倍に高まったが、レプチン値が減少したグループでは体重を減らしたまま維持できた割合が高かった。

 「肥満を改善するための食事療法や薬物療法は、短期的には効果をもたらすが、適正な体重を長期的にわたり維持するのは、実はなかなか難しいことだ。研究では、体重コントロールの結果は、あらかじめ条件付きであることが示された」とCrujeiras氏は話す。

 「健康的な体重を維持するための効果的な方法は、患者1人ひとりで異なる。内分泌内科学と栄養学の専門家が、患者の食事指導を開始する前に、あらかじめ食欲に関わるレプチンやグレリンといった食欲ホルモンをマーカーとして測定し、これらを標的としたプログラムを作成できれば、個々に合わせた効果的な体重コントロールを行えるようになる可能性がある」と述べている。

 なお、今回の研究とは別に、レプチンについては日本人を対象とした研究も行われている。食事で野菜類や豆類、食物繊維摂を多くとっている人では、血中レプチン濃度が低く抑えられるという結果になった。レプチンについての研究は現在も国内外で進行中だが、食事管理がもたらす恩恵は、食欲に影響するホルモンなどの生理活性物質にも及ぶようだ。

Weight Regain after a Diet-Induced Loss Is Predicted by Higher Baseline Leptin and Lower Ghrelin Plasma Levels
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism , doi:10.1210/jc.2009-2566
Appetite Hormones May Predict Weight Regain after Dieting(米国内分泌学会)
Study results may point way to effective weight-loss maintenance

[Terahata]

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