2010年12月07日
市民がスマートフォンで血圧測定 ICTを利活用 【京丹後市】
キーワード: 高血圧 肥満症/メタボリックシンドローム 脳梗塞/脳出血 三多(多動・多休・多接) 身体活動・運動不足
インターネット通信を利用し多機能をもたせた携帯電話「スマートフォン」を市民の健康管理に役立てようという試みが、市町村でも始まっている。京都県京丹後市は、スマートフォンを使って血圧測定などの健康管理を行う事業「血圧サポート倶楽部」を全国にさきがけて開始した。在宅での健康管理に重点をおき、市民に家庭血圧を自己管理してもらい、脳卒中などの生活習慣病の予防につなげたい考えだ。
この事業は、総務省が推進する「地域ICT利活用モデル構築事業」のひとつとして実施される。市ではICT(情報通信技術)を利活用し地域産業を活性化させ、交流人口を増やすことを目指している。 京都府北部に位置する京丹後市は人口約6万人、2004年4月に旧6町が合併し誕生した新しい市だ。高齢化などの影響で生活習慣病の患者数は増えている。市の調査によると、65歳以上の高齢者の比率は28%、20〜60歳代男性の約22%、40〜60歳代女性の約18%が肥満だ。一方で、運動習慣のある人の比率は男女とも28%と低い。 事業では、健診で血圧が正常高値(130/85mmHg)と指摘された人を対象に、通信機能付きの家庭用血圧計と専用のスマートフォンを1年間無料で貸与する。血圧を測定すると、測定値が携帯端末機器に自動的に転送され、簡単な操作で保健師のパソコンに送信することができる。 保健師が測定値を確認し、“健康アドバイス”を電子メールでスマートフォンに送信、必要に応じて電話や訪問による生活習慣指導を行う。3ヵ月ごとに測定結果をグラフ化して送付、電子メールでパソコンなどに自動送信することも可能。 市民の関心を高め取り組みやすいよう工夫をこらした。スマートフォンでも過去の測定値の一覧でみることができるほか、市ホームページの専用コーナーを利用し、ウォーキングの歩数の記録や、測定値により独自のキャラクター「京丹後コシヒカリ」がイネからコメに成長していく機能を楽しむこともできる。 市健康推進課では「全国でも例を見ない新しい取り組み」としている。定員は200人で、利用期間は12月1日から最長1年間。 地域ICT利活用モデル構築事業は、総務省が市区町村等に委託し実施している、ICTの利活用を通じて地域活性化や課題解決をはかるモデル的取組み促進する事業。
血圧サポート倶楽部(京都府京丹後市)
血圧サポート倶楽部の利用者を募集します(京都府京丹後市)
ICT利活用の促進(総務省)
[Terahata]