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子供の身長や体重の伸びは頭打ち 肥満傾向の子供が10人に1人

キーワード: 肥満症/メタボリックシンドローム 三多(多動・多休・多接) 健診・保健指導

 子供の身長の伸びがとまったが、肥満傾向児の割合は低下してきた――。文部科学省が12月9日に公表した「2010年度学校保健統計調査(速報値)」で、こんな最近の子供たちの傾向が示された。

 調査では、今年4〜6月に、全国の幼稚園と小中高校の計7755校から5〜17歳の対象者を抽出し、約69万人の発育状況と約335万人の健康状態を調べた。
子供の身長や体重の伸びは頭打ち

2010年度学校保健統計調査(文部科学省)
 調査結果によると、5〜17歳の男子の平均身長は、すべての年齢層で前年度を上回らなかった。7歳から12歳、14歳、15歳、17歳では前年度より減少した。女子の身長は、13歳と17歳で前年度より増加したが、5歳、8歳、10歳、11歳、14歳、15歳で前年度より減少した。

 身長が伸びた年齢層がなかったのは、調査が始まった1948年以降で初めて。子供の身長は1997年度から2001年度あたりにピークを迎え、その後横ばい傾向となっている。

 文科省では「栄養状態などによるものではなく、日本人の遺伝的要因によるとみられる。骨格などからみて、身長は今後も伸びない可能性がある」と分析している。

 2010年度の身長を親の世代(30年前の1980年度の数値)と比べると、平均身長でもっとも差がある年齢は、男子では13歳で2.8?高く、女子では10歳と11歳で1.9?高くなっている。

 体重についても同じ傾向がみられる。平均体重は、1998年度から2003年度あたりにピークを迎え、その後は減少してきた。

 男子では13歳、14歳、16歳で前年度より増加したが、6歳、7歳、9歳、10歳、12歳で減少した。女子の体重は、14歳、16歳で前年度より減少した。その他の年齢では前年度と同じ数値となった。

 親世代と比べると、平均体重でもっとも差がある年齢は、男子では12歳で2.7?重く、女子では11歳で1.7?重くなっている。

肥満傾向児も減少したが、1割は「太りぎみ」
 肥満傾向児の割合も、2001年度前後をピークに減少が続いている。食生活や運動を中心とする生活習慣指導が、学校で家庭で広がった影響もあるとみられる。

 肥満傾向児の割合は、男子では6歳、8歳から10歳、12歳から14歳で、女子では7歳から10歳、12歳から14歳、16歳、17歳で、前年度より低下した。算出方法を変更した2006年度以降は一貫して低下傾向が続いている。

 肥満傾向の子供は2006年度と比べると、男子では17歳で12.90%から11.30%に、11歳で11.82%から11.09%に減少した。女子でも17歳で9.67%から8.14%に、11歳で9.95%から8.83%に減少した

 しかし、肥満傾向の子供が減ってきたといっても、ここ30年の間でみると2〜3倍に増えている。2010年度調査では、特に男子では10〜12歳、15〜17歳で10%を超えており、女子でも10歳〜12歳、15、17歳で8%を超えた。国民健康・栄養調査でも、子供の「体格の変化」として、「肥満」や「太りぎみ」の子供の割合は高いことが示されている。

年齢別肥満傾向児・痩身傾向児の出現率(%)

 男子女子
肥満傾向児痩身傾向児肥満傾向児痩身傾向児
10歳10.372.368.132.61
11歳11.092.558.833.08
12歳10.992.308.923.92
13歳9.411.537.963.84
14歳9.371.487.893.09
15歳12.402.118.592.37
16歳11.571.917.812.40
17歳11.301.678.141.81

2010年度学校保健統計調査(文部科学省)

肥満の原因は生活リズムの乱れか
 肥満の原因となるのは食生活の変化や生活リズムの乱れだ。子供の生活リズムが「夜型」になっていると報告されている。日本小児保健協会が2000年に行った「幼児健康度調査」によると、「夜10時以降に就寝する」こどもの割合は、1歳児〜3歳児で半数を超えており、10年前の調査と比べると、2倍以上に増加していた。

 子供の生活も夜型傾向になっている背景として、大人の生活リズムとの同調が大きいとみられる。携帯電話や、家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機、インターネットなどの普及も影響している。

 こうした傾向は子供の視力低下にもつながる。学校保健統計調査の健康状態の調査では、「裸眼視力1.0未満」の子供が増えていることが示された。視力1.0未満の割合を、2000年度と2010年度とで比べると、小学校では25.33%から29.91%へ、中学校では49.99%から52.73%へと、それぞれ増加した。

肥満・痩身傾向児
 肥満・痩身傾向児については、2005年度まで、性別・年齢別に身長別平均体重を求め、その平均体重の120%以上の体重の者を肥満傾向児、80%以下の者を痩身傾向児としていたが、18年度から、性別、年齢別、身長別標準体重から肥満度を算出し、肥満度が20%以上の者を肥満傾向児、マイナス20%以下の者を痩身傾向児としている。
 肥満度の求め方は以下のとおり。
肥満度(過体重度)=〔実測体重(kg)-身長別標準体重(kg)〕/身長別標準体重(kg)×100(%)

平成22年度学校保健統計調査(速報)(文部科学省)
平成12年度幼児健康度調査報告(日本小児保健協会)
[Terahata]

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