2011年01月19日
バス車中などで歩数記録を送信、ICT利活用で健康増進 [沖縄]
キーワード: 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 三多(多動・多休・多接) 健診・保健指導
沖縄県で、通信機能付き歩数計で個人の健康記録を管理する県民向けの健康増進事業「ヌチガフーアイランド」が3月下旬から始められる。通信機能付の歩数計を軸とし、個人健康記録システム、コミュニティ型サイト、街角やバスの車中に設置された電子掲示板、ポイント還元のしくみを総合的に組み合わせ、県民の健康づくりを支援する。
健康意識の高まり、健診受診率の上昇を期待
事業では那覇市内のバス路線を市民の「広域ウォーキングコース」として捉え、デジタル掲示板を配置し、情報配信機能を用いて市民の健康づくり運動の主要舞台として展開したい考え。
街角やバスの車中に電子掲示板を50台設置し、歩数計をかざすだけで歩数記録が個人専用サイトに送信される。歩数が距離に換算され、パソコン上の仮想地図で世界遺産巡りができたり、健康度合いに応じてキャラクターが成長するなど、楽しみながら続けられるシステムが考えられている。
毎日の食事や血圧、心拍数、体重をパソコンや携帯電話から記録し、日々の変化のグラフデータを閲覧することもできる。蓄積されたデータはポイントとしてためられ、県内の飲食店などで利用できる。
インターネットでサービスの利用者同志が交流できるコミュニティ型サイト(SNS)も公開。健康増進という共通するテーマ以外にも、趣味などを同じくする仲間どうしで年齢や性別を超えたコミュニティを作り、会話を楽しむことができる。
沖縄県の成人のメタボリックシンドローム予備群と該当者の割合は、男性で25%と31%、女性で17%と20%で、いずれも全国平均より高い(2006年調査)。サービスの利用により、県民に健康に対する意識の改善がうまれ、健康診断の受診率の上昇やその後の再検査の受診率の向上につながると期待されている。
自治体や地元企業、バス会社、地域の医療機関などが連携した地域特化型の運営体制は全国初。システムを応用・拡張すれば、地域の活性化やバスの運行支援など、地域の課題解決に向けたプラットフォーム提供にもなる。
事業では那覇バスやソフト開発のレキサスなどのほか、県内外の約15の組織が連携する。「ICT利活用による沖縄県民の健康づくり普及促進事業」として、総務省の地域ICT利活用広域連携事業に採択され、NPO法人地域間高速ネットワーク機構が昨年事務局を立ち上げた。
「ヌチガフーアイランド」 Webサイトイメージ
サービスの利用金額は月額315円。1月26日まで無料の一般モニターを募集している。
NPO法人の地域間高速ネットワーク
http://www.ixo.or.jp/siryo_pdf/110105/tuikagaiyozu.pdf
ヌチガフーアイランド
[Terahata]