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古代エジプト王女に世界最古の動脈硬化 3600年前のミイラを調査

キーワード: 高血圧 脂質異常症(高脂血症) 二少(少食・少酒) 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 動脈硬化 心筋梗塞/狭心症 脳梗塞/脳出血 三多(多動・多休・多接)

 米カリフォルニア大学などの研究チームがエジプトのミイラを調査し、「世界最古」の動脈硬化症を発見した。健康的な生活習慣をおくっていれば、もっと長生きしていたかもしれないという。

古代エジプトのミイラを調査する研究チーム(ビデオ)
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 米カリフォルニア大学などのエジプト調査チームが、古代エジプトの王族のミイラをCTスキャンで調べた結果、心臓と脳に血液を供給する大動脈でアテローム性動脈硬症が起こっていたことを示すエビデンスが示された。
「世界最古」の動脈硬化症
 アテローム性動脈硬化症は、動脈の内膜にコレステロールなどの脂肪からなるドロドロの粥状物質がたまり、アテローム(粥状)プラークがつくられる病気。動脈が狭くなったりふさがってしまい、現代人の主だった死因となっている心疾患や脳卒中などの原因となる。

 研究チームは、紀元前1580年頃(約3600年前)に40歳代で死亡したとみられている古代エジプト王女アーモセ・メリエット・アモン(Ahmose Meryet Amon)のミイラを調べた。その結果、3つの冠動脈のうちの2つに狭窄がみられ、心臓発作が1回以上起こっていたことが分かった。

 王女のミイラは人類の歴史上で心疾患が認められた最初の例だという。「動脈硬化症は現代人のみにみられる疾患ではないことがあきらかになった」と研究者は話す。

 この王女のミイラが埋葬されていたのはナイル川西岸に位置するハトシェプスト女王葬祭殿(デル・エル・バハリ)。現在はカイロのエジプト考古学博物館に安置されている。研究チームが博物館のミイラ52体をCTスキャン(コンピュータ断層撮影)で調査したところ、王女を含めほぼ半数で動脈硬化症がみつかった。

 「不健康な生活習慣が、冠動脈疾患や虚血性心疾患の原因とみられている。古代エジプト人の生活習慣は現代とは全く異なる。アテローム性動脈硬化症が発見されたのは驚くことだ。もしも王女を診療できるとしたら、食事を改善し適度な運動をするよう指導し、場合によっては心臓手術を行うだろう。少なくとも2ヵ所のバイパス手術が必要なほど病状は悪化している」とカリフォルニア大学アーヴィン校のGregory Thomas教授(心疾患)は話す。

重篤な心臓発作を記述した文献も
 冠動脈や心臓を確認できた44体のミイラの45%で、虚血性心疾患やアテローム性動脈硬化症と関連の深い冠動脈の石灰化が検出された。また、ミイラの約7%に心疾患の原因となる冠動脈狭窄、14%に脳卒中の原因となる頸動脈狭窄がみられた。

 臓器が原型をとどめていない場合が多く死因の特定まではできないが、王女が生きていた紀元前1580〜1550年頃の文献には、重篤な心臓発作の予兆と考えられる胸の痛みなどに関する記述がみられるという。

 「アテローム性動脈硬化の主な原因となるのは、喫煙や飲酒、運動不足、肥満、2型糖尿病、トランス脂肪酸の多い食事などだ」とカリフォルニア大学サンディエゴ校のMichael Miyamoto氏は話す。

 「古代エジプトの王族は、現代人のように、脂肪が多い高カロリーのハンバーガーやドーナツを食べていたわけでもなく、喫煙もしていなかった。毎晩テレビの前ですごしていたわけでもない。それにもかかわらず古代エジプト人も現代人と同じように動脈硬化を原因とする疾患にかかっていたことが分かった」。

 調査対象となったミイラは王族のもので、みな高い地位にあった。「肉類に代表される高カロリーの食品を多くとる贅沢な生活をしていたのかもしれない。体を動かす必要もなく運動不足だった可能性もある。通常より心臓病にかかる割合は高いだろう」としている。

 この研究は、米国の医学誌「Journal of the American College of Cardiology(JACC): Cardiovascular Imaging」に発表された。

The mummy study returns(カリフォルニア大学 2011年4月)
Atherosclerosis in Ancient Egyptian Mummies
Journal of the American College of Cardiology(JACC): Cardiovascular Imaging, 2011; 4:315-327, doi:10.1016/j.jcmg

[Terahata]

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