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乳がん:運動を積極的にする女性で低下 5万人を調査

キーワード: がん 身体活動・運動不足

 余暇運動に積極的に参加する女性は、しない人にくらべ、乳がんになりにくいことが、日本人女性約5万人が参加して行われた大規模研究であきらかになった。研究者らは「とくに閉経後の女性、また太り気味の女性では、週1回でも余暇に運動をとりいれることが、乳がん予防につながる」としている。

 この研究は、日本人女性約5万人を約14年間、追跡して調査した多目的コホート研究「JPHC研究」。研究チームは1990年と1993年に、岩手、秋田、長野、茨城、新潟、大阪、高知、長崎、沖縄の10保健所管内に在住していた40〜69歳の女性約5万人に参加してもらい、生活習慣についての調査を行った。

 参加者に仕事のほかに行うスポーツや運動(余暇運動)の頻度について質問し、「月3日以内」、「週1〜2日」、「週3日以上」の3グループに分け、1日当たりの「総身体活動量」を調べた。

* 身体活動量や運動量は「MET」という運動強度を示す単位ではかる。METは、安静に座ったままテレビなどを観賞しているときは1MET、平地を普通に歩いたり部屋の掃除などをしているときは3METsといったように、さまざまな運動を安静時の運動量の倍数で数値化しあらわしたもの。このMETの値に運動時間をかけたものが「METs・時」。
週1回以上の余暇運動に参加する女性は乳がんになりにくい
 参加者を「METs・時間」スコアに換算した単位を用いて3グループに分け、乳がんの発生率を比べた。その結果、女性では、余暇運動の参加頻度が高いほど、乳がんになりにくいことが確かめられた。

 余暇運動の参加が「月3回以内」の群に比べ、「週3日以上」の群では、乳がんリスクが約3割低くなっていた。運動による乳がんリスクの低下傾向は、閉経前女性でより強いことも分かった。

 また、がん細胞を調べホルモン受容体があると確認された(ホルモン受容体陽性)乳がんでは、運動頻度の高いと乳がんリスクが低下する傾向があることも分かった。一方、総身体活動量による乳がんリスクの低下は、とくに閉経後の女性ではっきりとは示された。

 研究チームは、体重と身長から算出する体格指数(BMI)で対象者を2グループに分け比べた。運動によるリスク低下は、BMI25未満の標準体重のグループでははっきり示されなかったが、BMI25以上のグループでは、余暇運動の参加頻度が「月3回以内の群」に比べ「週1回以上の群」では、乳がんリスクが4割低下することが分かった。

 研究者らは「余暇運動に積極的に参加する女性は、しない女性に比べ、乳がんになりにくいことを裏付ける結果になった」と述べている。

 「運動には、免疫機能を改善したり、体脂肪を減らして閉経後女性の女性ホルモン(エストロゲン)濃度を下げることで、乳がんを予防する可能性があると考えられている。今回の研究で、余暇運動で乳がんの予防的な関連がみとめられた。また、同じ関連がBMI25以上の女性でもあきらかだった。余暇運動、総身体活動量ともに、閉経後においてホルモン受容体陽性の乳がんリスクとの間に予防的な関連がみられた」としている。

 「とくに閉経後の女性、また太り気味の女性は、週1回でも余暇に運動をとりいれることが、乳がん予防につながる。乳がん予防のために、余暇運動を積極的に生活習慣に取り入れて欲しい」と強調している。

多目的コホート研究(JPHC Study) 国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究部

(Terahata)

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