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HbA1c、2012年度から国際標準値へ変更 検討会で合意得られず

キーワード: 糖尿病 健診・保健指導

 厚生労働省は「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」(座長:多田羅浩三・日本公衆衛生協会理事長)の第3回会議を7月4日に開き、日本糖尿病学会が2012年度から、HbA1cを現在のJDS値から国際標準のNGSP値へ変更する予定であることをふまえ、その時期が検討された。
 表記変更にともなうシステム変更のコストなどへの指摘もあり、合意は得られず結論は先送りとなった(資料は、厚労省のホームページで公開されている)。

 過去1、2ヵ月間の平均血糖値を示すHbA1cは、日本では現在、独自のJDS値で表記されているが、国際標準化にともないNGSP値へ変更することを日本糖尿病学会はすでに発表している。検討会の前回までの議論では、健康保険事業を運営する保険者が、2013年度に保健指導の階層化に係るシステム改修を実施し、NGSP値に対応することについては大きな異論はなかった。

 検討会に参考人として門脇孝・日本糖尿病学会理事長が出席した。これまでの議論をふまえ、日本糖尿病学会が学会内から聴取してまとめた主な事項は以下のとおり。

  • 新基準への移行
     国際標準として現在用いられている表記はNGSP値であり、国際的な情報の共有化などの観点から、速やかなNGSP相当値への表記の移行が求められている。

  • 健診実施機関における対応
     健診実施機関で、例えば、健診受診者に対しては、新基準のNGSP値による表記を行った健診結果を通知しつつ、保険者に対しては、旧基準のJDS値に基づく報告を行う、というように用途に応じて表記を変更することは困難との意見があった。

  • 日本糖尿病学会の方針
     日本糖尿病学会の方針としては、臨床や健診の現場でのNGSPに相当する値による表記の導入を、2012年4月から行いたいとの立場をとっている。
  •  そのうえで、2012年4月から臨床・健診の現場においてHbA1cの表記が一斉に変更となった場合に、「保険者や健診実施機関などでどのような対応があるかを検討する必要がある」とした。

     2012年4月から臨床・健診の実施場所でのHbA1cの表記が、現在の基準よりも表記上0.4高いNGSP値になった場合、保険者に対しての報告もNGSP値となるが、保険者における階層化のシステムは旧基準のJDS値のままなので、以下のように保険者での対応が必要となる。

    HbA1cのJDS値からNGSP値への変更 考えられる対応のパターン

     概要留意点
    医療機関・健診機関による2012年度暫定対応 ○医療機関・健診実施機関では、診察・健診結果などで2012年度から新基準を使用する。
    ○医療機関・健診実施機関から保険者への実績報告は2012年度は旧基準で行う。
    ○医療機関・健診実施機関では、健診の保険者への報告と患者・受診者への結果通知で2通りの表記が必要となる。
    保険者による2012年度暫定対応 ○2012年度から臨床・健診の現場は新基準に移行する。保険者への実績報告も新基準で行う。
    ○保険者において、2012年度は新基準を旧基準の表記に変換して階層化するか、または階層化した後に旧基準に修正を加えるかで対応する。
    ○保険者において、階層化の前に新基準を旧基準の値に置き換える、または新基準によって階層化した後に旧基準に基づく対象者をさらに絞り込むなどの事務コストが発生する。
    ○保険者において、2012年度は、空腹時血糖のみを階層化に使用する。
    ○2012年度は、HbA1cを用いた階層化ができないことになる。
    第3回保険者による健診・保健指導等に関する検討会資料

     検討会では厚生労働省は、健診受診者の混乱を防ぐことなどを理由に、来年度の結果通知などでは、JDS値とNGSP値を併記する案も提示した。これに対し、白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)は「現在のシステムでは併記への対応は困難」との見解を示した。

     医療機関などでの診察・健診結果ではNGSP値を使用し、保険者への実績報告は旧基準のJDS値を使用する案に対しても、医療機関での事務作業が発生し負担が増すとの見解が示され、表記変更についての結論は得られなかった。

    第3回保険者による健診・保健指導等に関する検討会(厚生労働省)

    (Terahata)

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