一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
最近の関連情報・ニュース

葉酸、ビタミンB6で心血管疾患のリスクが低下 5.8万人を調査

キーワード: 動脈硬化 心筋梗塞/狭心症 脳梗塞/脳出血 三多(多動・多休・多接) 健診・保健指導 抗加齢(アンチエイジング)

 食事で葉酸やビタミンB6を十分にとっている人では、そうでない人に比べ、心不全や脳卒中、冠動脈疾患(CHD)などの心血管疾患による死亡リスクが低下することが、磯博康・大阪大学大学院医学系研究科教授(公衆衛生学)らの研究チームの調査で分かった。

 葉酸は、ほうれん草の抽出物から発見されたビタミンB群の一種。ほうれん草や芽きゃべつ、モロヘイヤなどの野菜や、レバーなど動物性食品にも含まれる。
葉酸やビタミンB6が不足すると、血中ホモシステインが上昇
 この研究は、40〜79歳の男性2万3119人と女性3万5611人を対象に、平均14年にわたり追跡調査した大規模コホート研究「JACC Study」。これまでに日本人を対象に食事による葉酸やビタミンB類の摂取と心疾患リスクとの関連を調べた研究は少ない。

 研究チームは、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12の摂取量により5つのグループに分けた。葉酸は、(1)272μg/d未満、(2)272〜351μg/d、(3)352〜430μg/d、(4)431〜535μg/d、(5)536μg/d以上。ビタミンB12は(1)4.5μg/d未満、(2)4.5〜5.9μg/d、(3)6.0〜7.6μg/d、(4)7.7〜9.8μg/d、(5)9.9μg/d以上。

 期間中に死亡した数は、脳卒中986人、冠性心疾患424人、心疾患2087人だった。年齢、体格指数(BMI)、喫煙、アルコール、高血圧症や糖尿病の既往歴、脂肪の摂取などの影響を取り除いて解析したところ、葉酸やビタミンB6の摂取量のもっとも多いグループともっとも少ないグループとでは、心疾患などによる死亡リスクに明白な差が出た。

 リスク低下の寄与が大きい疾患は男女で異なっており、摂取量がもっとも多い(5)と、もっとも少ない(1)を比べたところ、男性では心不全の死亡リスクが葉酸で50%、ビタミンB6で61%低下していた。女性では虚血性心疾患の死亡リスクが葉酸で43%、ビタミンB6で53%低下していた。

 「葉酸やビタミンB6をよくとっている人では、心疾患を予防できている可能性がある。これらの栄養素を食事で十分にとることを心がけるとよいだろう」と磯教授は話す。

 心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす動脈硬化の原因として、LDL(悪玉)コレステロールがよく知られているが、最近の研究で注目されているのは、アミノ酸の一種である「ホモシステイン」。

 ホモシステインは、肝臓で行われるアミノ酸(システイン)の代謝過程で一時的につくられる。葉酸やビタミンB6が不足すると、システインへの代謝が低下し、血中のホモシステイン量が上昇する。その結果、活性酸素が生じ動脈硬化の原因になる。

 研究者らは「葉酸とビタミンB6が、血中ホモシステイン濃度を低下させ、心疾患からの保護作用をもたらしている可能性がある」と説明している。

 葉酸は野菜や果物、全粒粉、豆類などに多く含まれ、ビタミンB6は野菜、魚、レバー、肉、全粒粉などに多く含まれる。葉酸の推奨摂取量は、男女とも1日に240μg程度。平成20年の国民健康・栄養調査によると、男性は平均312μg/日、女性は平均294μg/日を摂取している。

 この研究は医学誌「Stroke」に発表された。

Dietary Folate and Vitamin B6 and B12 Intake in Relation to Mortality From Cardiovascular Diseases
Stroke, 2010, 41: 1285-1289 Published online before print April 15, 2010
Diet high in B-vitamins lowers heart risks in Japanese study(米国心臓学会 2010年4月15日)
JACC Study

(Terahata)

関連トピック

テーマ ▶ 健診・保健指導

2019年01月09日
大人のがん教育を始めよう がん患者の就労問題に取り組む企業を支援 がん対策推進企業アクション
2018年12月25日
【保健師対象イベント】参加募集中! 第8回 産業保健プロフェッショナルカンファレンス「健康経営の視点での産業保健活動」
2018年11月25日
【保健師対象イベント】第7回 産業保健プロフェッショナルカンファレンス テーマ「職場巡視〜ありのままの現場を見られる産業保健師になる〜」
2018年11月14日
"防ごう、備えよう!低血糖―低血糖時のアクションプラン"公開 糖をはかる日
2018年10月19日
【健やか21】平成30年度「麻薬・覚醒剤乱用防止運動東京大会」(参加申し込み受付中)

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2019年12月02日
肥満やメタボに対策し「フレイル」を予防 心身の活力低下を防ぐ3つの条件とは
2019年12月02日
インフルエンザシーズン到来にそなえて 感染前の最後の砦「のどバリア」を高める習慣とは
2019年12月02日
認知症の原因は酸化ストレス 新開発の抗酸化サプリメントで認知症を予防 臨床試験で実証
2019年12月02日
女性が妊娠中に味噌汁を飲むと子供の睡眠不足が減る 親の腸内細菌叢は子供に受け継がれる
2019年11月28日
「10月8日は、糖をはかる日2019」講演会レポート & 血糖値アップダウン写真コンテスト優秀作品公開

疾患 ▶ 脳梗塞/脳出血

2019年11月28日
「10月8日は、糖をはかる日2019」講演会レポート & 血糖値アップダウン写真コンテスト優秀作品公開
2019年11月12日
魚を中心とした日本食は健康食 魚油のサプリメントについては賛否あり
2019年11月06日
ワカメなどの海藻を食べると心疾患リスクが低下 日本食の新たなメリットを解明
2019年10月17日
体重を3%減らすだけで肥満症を改善 肥満解消のための実践的取組み 【日本肥満症予防協会セミナー・レポート】
2019年09月05日
糖尿病の最新全国ランキング ベストは神奈川県 ワーストは青森県

疾患 ▶ 心筋梗塞/狭心症

2019年11月28日
「10月8日は、糖をはかる日2019」講演会レポート & 血糖値アップダウン写真コンテスト優秀作品公開
2019年11月12日
魚を中心とした日本食は健康食 魚油のサプリメントについては賛否あり
2019年11月06日
ワカメなどの海藻を食べると心疾患リスクが低下 日本食の新たなメリットを解明
2019年10月17日
体重を3%減らすだけで肥満症を改善 肥満解消のための実践的取組み 【日本肥満症予防協会セミナー・レポート】
2019年09月05日
糖尿病の最新全国ランキング ベストは神奈川県 ワーストは青森県

疾患 ▶ 動脈硬化

2019年12月02日
女性が妊娠中に味噌汁を飲むと子供の睡眠不足が減る 親の腸内細菌叢は子供に受け継がれる
2019年11月28日
「10月8日は、糖をはかる日2019」講演会レポート & 血糖値アップダウン写真コンテスト優秀作品公開
2019年11月06日
ワカメなどの海藻を食べると心疾患リスクが低下 日本食の新たなメリットを解明
2019年10月17日
体重を3%減らすだけで肥満症を改善 肥満解消のための実践的取組み 【日本肥満症予防協会セミナー・レポート】
2019年08月26日
「不飽和脂肪酸」が糖尿病リスクを打ち消す 悪玉コレステロールを低下

テーマ ▶ 抗加齢(アンチエイジング)

2018年08月24日
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要
2018年08月06日
2016年度の特定健診の実施率は51.4% 特定保健指導は18.8%で伸び悩み
2018年08月06日
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に
2018年06月22日
「老年医学推進5ヵ年計画」を学会が発表 人生100年時代の高齢者医療
2018年06月13日
水虫に対策するための8つの方法 高齢者の「白癬菌」は要介護のリスクに
全国生活習慣病予防月間
大正製薬 コバラサポート
尿酸値PR
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート