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メンタルヘルスケアへの取組み 事業所の7割は「必要あり」

キーワード: 三多(多動・多休・多接) 健診・保健指導

 心の健康(メンタルヘルス)に問題を抱えている社員がいる事業所は6割弱に上り、メンタルヘルス不調による休職や退職者がいる事業所の3分の1は対策に取り組んでいない――こんな実態が、労働政策研究・研修機構がまとめた「職場におけるメンタルヘルスケア対策に関する調査」であきらかになった。

 調査は同機構が昨年9〜10月に、全国の従業員10人以上の民間事業所1万4000ヵ所を対象に、郵送配布・回収により行った(回収数は5250件)。
57%の事業所でメンタルヘルス不調「あり」
 メンタルヘルスに問題を抱えている正社員がいる事業所は56.7%で、うちの31.7%は3年前に比べてその人数が「増えた」と回答した。逆に「減った」のは18.4%にとどまり全体で増加傾向がみられる。特に1000人以上の事業所では、不調者が「いる」と回答した割合は72.6%で、「いない」(26.6%)を大きく上回った。

 産業別にみると、メンタルヘルスの不調者のいる割合がもっとも高いのは「医療・福祉」(76.6%)で、次いで「情報通信業」(73.0%)、「製造業」(67.9%)と続く。

 メンタルヘルス不調による1ヵ月以上の休職者や退職者が多いのは、若年層が多いとみられる「役職なし」(66.6%)で、次いで「係長クラス」(19.8%)、「課長クラス」(8.1%)と続く。

 メンタルヘルス不調の原因は、「本人の性格の問題」(67.7%)とトップ、次いで「職場の人間関係」(58.4%)、「仕事量・負荷の増大」(38.2%)、「仕事の責任の増大」(31.7%)、「上司・部下のコミュニケーション不足」(29.1%)、「家庭の問題」(29.1%)、「成果を求めることによる競争過多」(12.6%)と続く。

メンタルヘルスケアへの取り組み 7割が「強化する必要がある」
 過去1年間に1ヵ月以上の休職や退職をした従業員がいた事業所のうち、メンタルヘルスに「取り組んでいる」事業所が64.0%と過半数を占めたが、「取り組んでいない」事業所も32.2%に上った。

 産業別にみると、「取り組んでいる」事業所の割合が高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」(88.8%)で、次いで「金融業、保険業」(75.3%)、「情報通信業」(75.0%)と続く。逆に「取り組んでいない」割合が高いのは「鉱業、採石業、砂利採取業」(98.0%)、「生活関連サービス業、娯楽業」(70.4%)、「宿泊業、飲食サービス業」(63.5%)、「卸売業、小売業」(54.3%)など。

 メンタルヘルスの不調は、生産性の低下や重大事故の発生などにつながるおそれがある。企業のマイナスのパフォーマンスとの関係について、86.2%の事業所は「関係がある」と回答した。

 メンタルヘルスケアに取り組んでおり、産業医やカウンセラーなどの専門スタッフを配置している事業所は過半数の58.1%。一方で「いない」と回答した事業所は39.3%と4割近くに上った。

 メンタルヘルスケアに取り組んでいない理由は「必要性を感じない」(42.2%)、「専門スタッフがいない」(35.5%)、「取り組み方が分からない」(31.0%)など。規模が小さい事業所ほど「経費がかかる」、「必要性を感じない」などの理由が多かった。

 メンタルヘルスケアへの今後の取り組みを「強化する必要がある」と回答した事業所は70.2%で、「必要ない」の26.5%を大きく上回った。メンタルヘルスケアに取り組んでいない事業所でも、52.4%が「必要がある」と回答し、今後の取り組みの広がりが予測できる結果となった。

 厚生労働省の労働政策審議会では、ストレス症状を有する労働者に対する面接指導制度の導入などを提言し、法改正も含めた検討が行われている。同機構では「メンタルヘルスに対する社会的な関心は高まっており、さまざまな取り組みが広がりつつある」としている。

「職場におけるメンタルヘルスケア対策に関する調査」結果(労働政策研究・研修機構 2011年6月23日)
労働政策研究・研修機構

(Terahata)

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