2011年08月03日
OTC薬の意識調査 リスク区分「知っている」は3人に1人 【東京都】
キーワード: 健診・保健指導
東京都が7月に公表した「一般用医薬品に関する都民の意識調査」の結果で、「リスクの程度に応じた情報提供を行うための3区分(第1類、第2類、第3類)を知っているのは3人に1人」、「新制度について、7割はテレビ・新聞雑誌・ポスターなどで知った」といった実態があきからになった。
2009年に施行された改正薬事法により、一般用医薬品のリスクに応じた区分の設定や、登録販売者制度の創設、適切な情報提供や相談対応のための環境整備などが行われた。調査は、同改正法についての都民の認知度などを把握するため行われた。
【調査概要】
■対象:都内在住者 6000件(回収数2054件、回収率34.2%)
■方法:調査員が郵便受けに調査票を配布し、郵送により回収
■調査期間:2011年1月7日〜2月4日
■調査項目:回答者の属性、医薬品の購入について、医薬品に関する意識について、薬局・ドラッグストアへの期待について、かかりつけの薬局について
調査の主な結果は次の通り――
■対象:都内在住者 6000件(回収数2054件、回収率34.2%)
■方法:調査員が郵便受けに調査票を配布し、郵送により回収
■調査期間:2011年1月7日〜2月4日
■調査項目:回答者の属性、医薬品の購入について、医薬品に関する意識について、薬局・ドラッグストアへの期待について、かかりつけの薬局について
- 薬局やドラッグストアで購入するOTC薬 1位は風邪薬
1年間に薬局やドラッグストアで購入した一般用医薬品でもっとも多いのは風邪薬だった。
(1)風邪薬(50.9%)、(2)目薬(42.8%)、(3)胃薬、整腸薬、消化薬(38.8%)、(4)貼り薬(シップ薬など)(34.2%)、(5)栄養ドリンク(31.5%)、(6)痛み止め(頭痛薬など)(25.6%)、(7)ビタミン剤(25.5%)、(8)塗り薬(水虫など)(20.7%)、(9)消毒薬(19.5%)、(10)鼻炎薬(14.4%)、(11)便秘薬(10.4%)、(12)下痢止め(8.2%) - OTC薬を購入するときに重視するのは効能・効果
「店員の説明」、「メーカー」、「薬の成分」はいずれも3割未満という結果になった。
(1)効能・効果(85.1%)、(2)価格(47.5%)、(3)店員の説明(29.7%)、(4)メーカー(28.9%)、(5)薬の成分(26.4%)、(6)テレビCMや新聞・雑誌などの広告(19.4%)、(7)家族、友人などの評判(17.6%) - 「一般用医薬品区分」を認知しているのは3人に1人
リスクの程度に応じた情報提供を行うために「一般用医薬品区分(第1類、第2類、第3類)」があるのを知っている割合は35.8%にとどまった。性別・年齢別では、40代男女が認知率50%以上ともっとも高く、60代以降は男女ともに30%前後と低かった。
一方、「第1類医薬品の説明は薬剤師が行わなければならないこと」を知っていたのは76.3%だった。一般用医薬品区分について知っている人はおおむね新制度の内容を理解しているとみられる。 - 新制度を知ったきっかけは「テレビ・新聞雑誌・ポスター」
一般用医薬品区分を知ったきっかけは「テレビ・新聞雑誌・ポスターなど」(70.1%)がもっとも多く、「薬局・ドラッグストアでの説明、掲示物」(38.2%)と続く。
東京都では「一般用医薬品区分はリスクの程度に応じた情報提供等を行うための重要な指標であり、今後、浸透が望まれる」としている。 - 医薬品についての質問や相談
医薬品を購入するときに、医薬品について「質問や相談をしたことがある」という人は59.8%で、うち95.9%は「説明を受けた」と回答。そのときの説明について「分かりやすかった」と回答した人が91.2%に上った。 - 8割以上は「かかりつけ薬局」がある
診療所や病院を受診して処方せんを渡され、薬局で調剤を受ける場合に、「どの診療所などを受診した場合にも、利用する薬局を1か所に決めている」という人の割合は28.8%、「受診する診療所ごとに、利用する薬局を決めている」も54.4%に上り、8割以上の人は‘かかりつけの薬局’があることがあきらかになった。一方、「特に決まった薬局はない」は14.9%にとどまった。 - 「登録販売者」制度の認知度
薬剤師に加え一般用医薬品の一部を販売することができる「登録販売者」制度の認知度は40.0%と、新販売制度の都民への浸透が進んでいないことがわかった。60代以降で男女ともに30%前後と特に低かった。 - 「セルフメディケーション」という言葉の認知度
全体の8割近くが「セルフメディケーション」という言葉を知らないと回答したが、30〜40歳代の女性では知名度は約3割に上昇する。
東京都では、薬事法にもとづき、都内にある薬局の開局時間、所在地、電話番号などを公開するサイト「t−薬局いんふぉ(東京都薬局機能情報提供システム)」を運営している。東京都公式ホームページからアクセスでき、パソコン版と携帯版がある。
(Terahata)