2011年08月19日
ビフィズス菌をとると健康寿命が伸長 ヨーグルトの健康効果
キーワード: がん 三多(多動・多休・多接) 健診・保健指導 抗加齢(アンチエイジング) 食生活

このところ話題が増えている「プロバイオティクス」は、腸内細菌叢を改善し、体に有益な作用をもたらす微生物の総称。代表的なプロバイオティクスであるビフィズス菌を摂取すると、寿命が伸長する効果があることを実験で確かめた研究が発表された。
ビフィズス菌の含まれるヨーグルトを食べるのは体によいといわれてきたが、そのメカニズムには不明な点も多い。研究では、ビフィズス菌に寿命を伸ばす効果や、老化抑制や抗炎症効果があるだけでなく、腸内環境改善によるアンチエイジング効果も期待できることを、マウスを用いた試験で確認した。
腸管内ポリアミンと大腸の老化抑制と寿命の関連を証明
研究は、京都大学、理化学研究所、協同乳業らの研究グループによるもの。農業・食品産業技術総合研究機構・生物系特定産業技術研究支援センター「イノベーション創出基礎的研究推進事業」の支援を受け行われた。研究成果は米科学誌「PLoS ONE」オンライン版に発表された。
研究者らは、DNAや蛋白質の合成や安定化、細胞増殖などに関わる生理活性物質「ポリアミン」に着目。ポリアミンはすべての生物の細胞にあり、抗炎症作用や抗変異原作用、オートファジーの誘導、腸管バリア機能の維持・促進など、健康増進に有用な効果が報告されている。
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ビフィズス菌の一種である「LKM512」を与えたマウス群は、寿命が対照群と比較して有意に伸びた。生理活性物質「ポリアミン」を直接与えるよりも、ビフィズス菌を与え腸内細菌叢を産生させた方が効果があった。 |
(Terahata)