一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病
最近の関連情報・ニュース

魚をよく食べる男性は糖尿病リスクが低い 魚は良質な脂肪酸が豊富

キーワード: 三多(多動・多休・多接) 健診・保健指導 抗加齢(アンチエイジング)

 「魚を多く食べる男性ほど、糖尿病の発症リスクは低下する」ことが、国立がん研究センター、国立国際医療研究センターなどが実施している多目的コホート研究(JPHC研究)であきらかになった。魚をよく食べる男性は、あまり食べない男性に比べ、糖尿病になる危険性が3割低くなるという。アジやイワシ、サンマなど脂が豊富な魚ほどリスクが低下することもわかった。
魚には良質な脂肪酸が豊富に含まれる
 魚には、心筋梗塞や狭心症などの心血管疾患を予防する効果があるとされる良質な脂肪酸が豊富に含まれる。魚に含まれるのは、n-3系多価不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)。n-3系脂肪酸をとることで、インスリン分泌やインスリン抵抗性も改善するという研究報告もあり、魚を食べることで糖尿病のリスクを下げる効果を期待できる。

 調査は1990と93年に岩手、秋田、茨城、東京、新潟、長野、大阪、高知、長崎、沖縄の10都府県に住んでいた40〜75歳の男女5万2680人(男性2万2921人、女性2万9759人)が参加し行われた。参加者は調査時に糖尿病やがん、循環器疾患を発症していなかった。

 研究開始から5年後に行なったアンケート調査の結果をもとに魚介類の摂取量により4つのグループに分類し、糖尿病発症との関連を調べた。

 国立国際医療研究センター、国立がん研究センターなどの研究チームは、魚介類の摂取量により4つのグループに分類した。魚介類の摂取量(中央値)は、もっとも多いグループは男性 172g、女性 163g。もっとも少ないグループは男性 37g、女性 35gだった。

 調理する前の魚の1切あたりの重量は、サバが40g、サケが90gくらいになる。1尾あたりではサンマが90g、アジが60g、イワシが40g程度(いずれも頭、骨、内臓をぬいた場合)。

 5年間の追跡期間中に971人(男性572人、女性399人)が糖尿病を発症した。糖尿病の発症は、研究開始10年後に行ったアンケート調査で、期間内に糖尿病と診断されたことがある場合とした。

魚介類の摂取が多いほど糖尿病リスクが低下
魚介類摂取と糖尿病発症のリスク
出典:多目的コホート研究「JPHC Study」
 糖尿病の発症と魚類の摂取の関連を調べた結果、男性では魚介類摂取が多いほど糖尿病発症のリスクが低下する傾向がみられ、摂取量がもっとも多い群では、もっとも少ない群に比べ糖尿病のリスクが約3割低下していた。女性では魚類の摂取にかかわらず糖尿病の発症に差はなかった。

 調査結果を魚の種類ごとに分析したところ、糖尿病リスクの低下と関連が深いのは、アジ、イワシ、サンマ、サバ、ウナギなどの小・中型魚であることがわかった。また、魚を脂の量で分けたところ、脂の豊富なサケ、マス、アジ、イワシ、サンマ、サバ、ウナギ、タイ類などで糖尿病のリスクが低下することもわかった。

 一方、魚以外のいか、たこ、えび、貝類などの魚介類や、塩魚・干物、水産加工品では、糖尿病リスクを低下させる効果はみられなかった。

 研究チームは「魚に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸やビタミンDには、インスリン感受性やインスリン分泌を改善する効果があると考えらる」と述べている。日本人は世界的にみて魚をよく食べているが、欧米では魚のフライ(揚げ物)が好まれる地域もあり、魚の摂取と糖尿病予防は必ずしも結びつかないという。

 「日本と欧米では、摂取する魚の種類や調理法が異なることが、研究結果の違いの理由のひとつとして考えられる。さらに調べる必要がある。女性で関連がみられなかった点については、女性は体脂肪が多く脂溶性の環境汚染物質の影響を受けやすい可能性が考えられる」としている。

多目的コホート研究(JPHC Study) 国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究部
魚介類摂取と糖尿病との関連について

関連情報
白米をとりすぎると日本人女性で糖尿病発症のリスクが上昇(糖尿病NET)
腹部肥満がない日本人男性でも体重コントロールは有用(糖尿病NET)
大豆製品・イソフラボンの摂取で2型糖尿病のリスクが低下(糖尿病NET)
味の好みによる体重増加の違い 「甘い味」が好きな人は要注意?(糖尿病NET)
日常での「まめな運動」が長寿の鍵 死亡リスクが最大4割減 厚労省研究班(糖尿病NET)

(Terahata)

関連トピック

テーマ ▶ 健診・保健指導

2019年01月09日
大人のがん教育を始めよう がん患者の就労問題に取り組む企業を支援 がん対策推進企業アクション
2018年12月25日
【保健師対象イベント】参加募集中! 第8回 産業保健プロフェッショナルカンファレンス「健康経営の視点での産業保健活動」
2018年11月25日
【保健師対象イベント】第7回 産業保健プロフェッショナルカンファレンス テーマ「職場巡視〜ありのままの現場を見られる産業保健師になる〜」
2018年11月14日
"防ごう、備えよう!低血糖―低血糖時のアクションプラン"公開 糖をはかる日
2018年10月19日
【健やか21】平成30年度「麻薬・覚醒剤乱用防止運動東京大会」(参加申し込み受付中)

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2018年12月26日
骨粗鬆症の検診受診率 全国ランキングを発表 1位は栃木県 骨粗鬆症財団
2018年12月10日
骨が分泌する「若返り物質」 運動が若さを保つメカニズムを解明
2018年12月10日
「ストレス反応」は朝と夜で異なる 体内時計をストレスマネジメントに応用
2018年12月07日
毎日30分のウォーキングが乳がんを防ぐ 女性の運動を増やすアイデア7選
2018年12月04日
糖尿病ネットワークがベトナムに進出 アジアの糖尿病医療を底上げ

テーマ ▶ 抗加齢(アンチエイジング)

2018年08月24日
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要
2018年08月06日
2016年度の特定健診の実施率は51.4% 特定保健指導は18.8%で伸び悩み
2018年08月06日
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に
2018年06月22日
「老年医学推進5ヵ年計画」を学会が発表 人生100年時代の高齢者医療
2018年06月13日
水虫に対策するための8つの方法 高齢者の「白癬菌」は要介護のリスクに
全国生活習慣病予防月間
大正製薬 コバラサポート
新着ニュース
毎年2月は、全国生活習慣病予防月間
Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
乳がん治療と乳房再建の情報ファイル
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
大人の健康生活ガイド 30代以上の中高年者に関する健康情報を提供
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート
病気別BEST100サイト 知りたい病気の最新情報がすぐにわかる、病気サイトの百科事典