一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

運動で内臓脂肪を燃焼 より確かなのは「有酸素運動」 米研究

キーワード: 肥満症/メタボリックシンドローム 脂肪肝/NAFLD/NASH 三多(多動・多休・多接) 抗加齢(アンチエイジング) 身体活動・運動不足

有酸素運動の代表格はウォーキング。いつでも・どこでもマイペースで行えるウォーキングは、運動の中でもとりわけ人気が高い。

運動は健康の維持だけでなく、病気の治療のひとつとしても行われる。糖尿病など生活習慣病のある人では、病気の状態によっては、運動が逆効果になってしまうこともある。

運動療法を始める前と、始めた後も、主治医に相談し、年1回はメディカルチェックを受けよう。

 「有酸素運動」と「筋力トレーニング(レジスタンス運動)」のどちらが、内臓脂肪を減らす運動としてより適しているのか? 米国で行われた調査研究では、有酸素運動に軍配があがった。
食生活の改善や運動で内臓脂肪を減少
 腹部脂肪(内臓脂肪)に高血糖、高血圧、高脂肪などの要因が重なり起こるのがメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)。内臓脂肪がたまり、血糖を下げるインスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性が起こると、動脈硬化が進展しやすくなり、2型糖尿病や心臓病、がんなどの危険性が高くなる。予防・改善するために、内臓脂肪を減らすことが大切となる。

 「健康をおびやかす要因として、単に肥満や過体重であることを識別するよりも、脂肪が体のどの部位にたまっているかをみることが重要だ」と米デューク大学のCris Slentz氏(運動生理学者)は話す。

 内臓脂肪型肥満や、脂肪肝を原因とする非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を改善するためには、食生活の改善や運動で体重を2〜3kg減らすことが勧められている。「不要な脂肪を効果的に取り除くためには、どんな運動がもっとも有用であるかを解明する必要がある」とSlentz氏は話す。

 米デューク大学医療センターで行われた研究は、デスクワーク中心の生活をしており運動不足の18〜70歳の米国人196人を対象としている。対象者を3群に無作為に分け、「有酸素運動のみ」、「レジスタンス運動のみ」、「2種類の運動の組合わせ」に取り組んでもらった。研究は8ヵ月間にわたり行われた。

有酸素運動から始めるのがベター
 有酸素運動の群には、1週間あたり12マイル(約19.31km)を最大心拍数の80%のペースでジョギングしてもらった。レジスタンス運動の群には、8〜12回の重量上げなどの筋力トレーニングを中心に週3日、8〜12セットを行ってもらった。運動プログラムは被験者の体力に合わせて適切にコントロールされ、指導者がそれぞれが最大限に運動に取り組めるようアドバイスした。

 その結果、有酸素運動はレジスタンス運動に比べカロリーを67%も多く燃やし、脂肪肝や内臓脂肪を改善しただけでなく、空腹時血糖値やインスリン抵抗性の改善においても有利であることが判明した。

 「レジスタンス運動により筋肉が鍛えられると、体のエネルギー消費量が増える利点がある。しかし、すでに過体重や肥満である場合は、エネルギー消費量を増やし、余計に付いた脂肪をなくすために、有酸素運動を始めた方がより利点が大きいことが示された。米国の成人の3分の2が該当する」とSlentz氏は強調する。

 「内臓脂肪を減少するために、中等度の有酸素運動に筋力トレーニングを組合わせると効果的」との研究も報告されている。これに対しSlentz氏は「肝心なのは、運動に取り組む人が自分が実際にどれだけ運動したかを知り、どれだけの距離・歩数を歩いたかをはかり、どれだけのカロリーを燃焼したかを理解することだ。有酸素運動を行わないと、余計な脂肪を燃焼し減量するのは難しくなるだろう」と答えている。

Aerobic Exercise Bests Resistance Training at Burning Belly Fat(デューク大学 2011年8月25日)

[Terahata]

関連トピック

疾患 ▶ 肥満症/メタボリックシンドローム

2021年01月28日
【健やか21】「COVID-19 ワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望する⽅へ 」の提言(⽇本産婦⼈科感染症学会・⽇本産科婦⼈科学会)
2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2021年01月15日
働く人がうつ病になると 「就労の継続への不安」「新型コロナは心身にストレス」 うつ病患者対象の全国調査

生活習慣 ▶ 身体活動・運動不足

2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2020年12月24日
【新型コロナ】年末年始は「真剣勝負の3週間」 みんなで危機感を共有しコロナ収束の突破口に
2020年12月24日
【新型コロナ】医療機関の受診控えで健康リスクが上昇 日本医師会は安心マークを発行「感染防止を徹底しているから、安心して来て」
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】新型コロナとインフルの同時流行に備えて 発熱したら電話で「かかりつけ医」に相談 上手な医療のかかり方プロジェクト

テーマ ▶ 抗加齢(アンチエイジング)

2018年08月24日
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要
2018年08月06日
2016年度の特定健診の実施率は51.4% 特定保健指導は18.8%で伸び悩み
2018年08月06日
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に
2018年06月22日
「老年医学推進5ヵ年計画」を学会が発表 人生100年時代の高齢者医療
2018年06月13日
水虫に対策するための8つの方法 高齢者の「白癬菌」は要介護のリスクに

疾患 ▶ 脂肪肝/NAFLD/NASH

2020年10月26日
毎日の歩数が多いほど死亡リスクは低下 1日の歩数を1000歩増やすだけでも効果
2020年08月28日
日本人は肥満ではなくても脂肪肝になりやすい サルコペニア予備群の段階で対策を
2020年08月12日
ウォーキングなどの運動は「魔法の薬」 座ったままの時間を減らすだけでも効果 室内運動もお勧め
2020年08月12日
全国の1万人超の健康診断の受診状況や病気予防への取組みを調査 できない理由は「何をすればよいか分からない・お金がかかる・面倒」
2020年01月09日
7月12日は「人間ドックの日」 ロゴマークの募集を開始 日本人間ドック学会
スローガン川柳審査中
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート