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肥満対策:教材提供と集団型支援の減量効果が高い 筑波大

キーワード: 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 三多(多動・多休・多接)

 筑波大学・大学院人間総合科学研究科の研究グループ(中田由夫・疾患制御医学専攻助教)は、6ヵ月間の減量プログラムの効果検証を行い、人的コストのかからない教材提供のみを活用した介入手段でも減量効果を得られるが、集団型支援を加えると減量効果をさらに高められることを確かめたと発表した。

 筑波大学の研究グループは、動機づけ支援に、テキストや食事記録ノートなどの教材、集団型支援を組合わせた「スマートダイエット」というプログラムを開発してきた。

 「スマートダイエット」は、初回の動機づけ支援と、テキストや食事記録ノートなどの教材提供、15〜30人規模での集団型減量支援によって構成されるプログラム。大学発ベンチャー企業であるTHFが事業展開している。

 これまでに、3ヵ月間で平均8kgの減量に成功するなど実績を上げている。しかし、この実績はプログラム全体の減量効果であり、プログラムを構成する各要素が単独でどの程度の効果を有するかについては不明だった。

どの減量プログラムが効果が高いかを検証
 最近の研究では、食事制限における摂取エネルギー量の設定値、介入頻度、減量効果の出にくい糖尿病患者が対象集団に含まれているかどうかが、減量効果に影響することが分かっている。

 今後の課題として、教材提供や集団型支援など、それぞれのプログラムにどの程度の減量効果があるかを検証する、追跡率の高い介入研究が求められている。

 2008年度から実施されている特定保健指導では、低リスク者に対しては情報提供のみ、中リスク者に対しては動機付け支援のみが行われている。実際には、常に物的、人的コストをかけた健康支援事業を展開できるとは限らない。

 研究によって、減量プログラムのそれぞれの構成要素の有効性があきらかになれば、かけられるコストと目指す減量効果に応じて、減量プログラムの構成要素を選択できるようになる。

 そこで研究チームは、肥満などの軽微なリスクをもつ男女188人に対して、(1)動機付け支援のみで減量する対照群、(2)教材提供を追加する弱介入群、(3)集団型支援を追加する強介入群の3群にランダムに割り付け、減量プログラムの各構成要素の減量効果をあきらかにするランダム化比較試験を実施した。

余裕がなければ動機付け支援と教材提供だけでも有効
 研究はJA茨城県厚生連の支援を受けて実施された。同厚生連は県内に6つの病院施設をもっており、そのうちのひとつである水戸協同病院で研究を行った。

 研究参加者は、肥満の判定基準となっている体格指数(BMI)が25以上40未満で、かつメタボリックシンドロームの構成因子である腹部肥満、脂質異常、高血圧、高血糖の4つの因子のうち、1つ以上の因子を保有する男女。

 213人がベースライン測定を受診し、条件に合致する188人に対して動機付け支援講義を行った。その後、ランダムに3群に割り付けし、弱介入群には教材(テキスト、記録用ノート、歩数計)を提供し、強介入群には教材に基づく集団型支援を6ヵ月間で8回行った。

 その結果、6ヵ月間の体重減少量は、(1)の対照群で2.9kg、(2)の弱介入群で4.7kg、(3)の強介入群で7.7kgとなり、教材提供による減量効果は1.8kg、集団型支援による減量効果は3.0kgであることが示された。

 これにより、人的コストがかけられない状況では動機付け支援と教材提供だけでも有効な介入手段となるが、集団型支援はその効果をさらに高める介入手段であることがあきらかになった。

 この研究成果は、欧州肥満学会誌「Obesity Facts」6月号に発表された。

筑波大学
筑波大学次世代医療研究開発・教育統合センター
JA茨城県厚生連生活習慣病学寄附講座
(株)THF

(Terahata)

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