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E-カウンセリングが高血圧治療に効果 患者に動機付けを与える

キーワード: 高血圧 三多(多動・多休・多接)

 インターネットを利用した「E-カウンセリング」と呼ばれるオンラインツールが、高血圧の効果的な治療となり、患者のQOL向上に役立つという研究が発表された。医師による適切な薬物療法と血圧コントロール、個々の患者に合わせたE-カウンセリングを組合わせることで、高血圧の治療を改善できるとしている。
個別の行動計画と電子メールによるサポート
 カナダ心臓・脳卒中財団のRobert Nolan氏と西オンタリオ大学の医療ネットワーク研究チームは、血圧コントロールの改善と健康的な生活スタイルを支援するために、個々の患者に最適化した個別の行動計画の策定と電子メールによるサポートプログラムを研究した。この研究はカナダ心臓・脳卒中財団の支援を得て行われた。

 研究では45〜74歳の高血圧患者387人を対象に4ヵ月以上にわたり評価した。患者の72%は1種類以上の降圧薬により薬物療法を受けていた。被験者を無作為に、健康管理や心臓病の予防に関する一般的な解説を載せた標準的なE−ニュースレターを送る通常治療群と、治療に対する動機付けを与えるメッセージとともに4ヵ月間に8通の電子メールを受け取る強化治療群に分けた。

 強化治療群では、食事療法や運動療法、禁煙など生活習慣改善についての具体的な指導も行った。個々の患者に合わせた支援内容によりゴール達成を促した。

 その結果、E−カウンセリングを受けた患者では、受けなかった患者に比べ、血圧降下は2倍に向上した。「高血圧の治療にE−カウンセリングを利用するのは有用であることが確かめられた。血圧コントロールに不可欠な生活習慣の改善は、食事と運動が中心となる。E−カウンセリングは患者の動機付けに効果がある」と、カナダ心臓・脳卒中財団のRobert Nolan氏は話す。

 「E−カウンセリングは生活習慣の改善に有用で、効果的に低圧を低下させ、生活の質(QOL)を向上する。E−カウンセリングを受けた患者では、受けなかった患者に比べ、血圧値の低下は2倍に向上した。高血圧の治療にE−カウンセリングを利用するのは効果的だ」とNolan氏は述べている。

高血圧患者の抑うつが治療の障害に
 自覚症状の乏しい高血圧症は「サイレントキラー」とも呼ばれる。適切な治療を行わないと、高血圧は脳卒中や心疾患などの主な危険因子になる。カナダの高血圧の有病数は約600万人に上る。

 「高血圧患者における抑うつが、治療の障害となることは少なくない。抑うつは、健康増進のために必要な2つの生活スタイルである食事療法と運動療法への取り組みを困難にする。E−カウンセリング・プログラムの参加者では、この点でも有利だった。血圧を低下させると同様に、生活ライフスの改善にも有用であることが示された」とNolan氏は話す。

 Nolan氏は、研究の参加者の年齢が45〜70歳と比較的高齢だったことに言及し「特に単身生活をおくっている患者では、E−カウンセリングは強力なツールとなる。70年前までは、診療室で医師が患者を問診することが必要だったが、現在はインターネットを利用し、患者は自宅でアドバイスを受け、リスクを低下させることができるようになった」と述べている。

 「医師による適切な薬物療法と診断に、E−カウンセリングを組合わせることが、高血圧の有効な治療となることが示された。低塩分の健康的な食事をとり、活発に運動し、禁煙し、適正体重を維持することで、高血圧の危険性を減らすことができる。血圧を適正コントロールすることで、脳卒中に危険性を40%、心臓発作の危険性を25%低下できる」と心臓・脳卒中財団のBeth Abramson氏は強調する。

 「E−カウンセリングは保健指導プログラムの範囲を広げ、費用対効果の良い方法であり、医療資源を浪費を抑える効果を期待できる。今後は医療におけるE−カウンセリングの長期的効果を検討する研究が優先されるだろう」と研究者らは期待している。

E-counselling shows dramatic results in lowering blood pressure(カナダ心臓・脳卒中財団)

(Terahata)

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