2011年11月25日
脂肪はより少なく、食物繊維はより多く 野菜や全粒粉を摂ろう
キーワード: 高血圧 脂質異常症(高脂血症) 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 心筋梗塞/狭心症 三多(多動・多休・多接) 健診・保健指導 抗加齢(アンチエイジング)

食物繊維を十分にとる食事は、若者の心疾患や2型糖尿病の危険性を低下させるという、米ミシガン州立大学の研究チームによる研究が発表された。
研究者らによると、野菜や穀類を中心とした食物繊維が多く栄養価の高い食事は、コレステロールや飽和脂肪酸を制限した食事よりも、高血圧や腹部脂肪の蓄積などの危険因子が重なり発症するメタボリックシンドロームの危険性を抑える点で有利だという。この研究は米国栄養学会の学会誌に発表された。
食物繊維を十分にとる食事の方が有利
研究チームは1999年〜2002年に行われた米国健康・栄養調査(NHANES)の12〜19歳の少年少女2128人のデータをもとに、食事とメタボとの関連を検討した。食物繊維の摂取量がもっとも少ないグループのメタボのリスクは9.2%で、もっとも多いグループの3.1%に比べ3倍高いことが分かった。一方で、飽和脂肪酸やコレステロールの摂取量とメタボのリスクには有意な関係性が示されなかった。
「食物繊維が十分に含まれる栄養価の高い食事には、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素も豊富に含まれ、心臓血管の健康のためにも好ましい。メタボの危険性を抑えるために、食物繊維の摂取量を増やすことが有利であることはあきらかだ」とミシガン州立大の心臓血管・スポーツ栄養学部のJoseph Carlson氏は話す。
「飽和脂肪酸が悪玉(LDL)コレステロールを上昇させることはよく知られている。10代の若者が飽和脂肪酸やコレステロールの多い食事をとっても良いというわけではないが、我々の研究では食物繊維の多い食事をとった方がより効果的であることが示された。一般的には飽和脂肪酸やコレステロールを抑えた食事が健康的と思われがちだが、実際には食物繊維を十分にとる食事に着目した方が有利かもしれない」とCarlson氏は説明する。
若い頃に身についた食習慣は中高年以降も続く
(Terahata)