2012年01月06日
5年連続の人口自然減 2010年人口動態統計
厚生労働省は1日、2011年の人口動態統計(年間推計)を発表した。出生数が死亡数を下回る自然減は5年連続で、20万人をはじめて超えた。厚労省は人口の高齢化で今後も自然減の拡大が続くと予測している。
「2011年人口動態統計の年間推計」によると、出生数は、出産しやすい年齢の女性人口が減ったため前年より約1万4000人少ない105万7000人。死亡数は約6万4000人増えて126万1000人。出生数と死亡数の差である自然減は20万4000人となり、2007年以降5年連続の人口減少となった。減少幅は、自然減がはじめて10万人を超えた前年の12万5000人を大幅に上回り戦後最大となった。 出生数は戦後に統計を取り始めた1947年以降で最少となる一方、死亡数は最多を記録した。東日本大震災で約1万6000人が死亡した影響もあり、死亡数の拡大幅が大きくなった。 結婚は前年を約3万組下回り、戦後最少の67万組に低下した。1人の女性が生涯に産む子供の平均数の推計値を示す合計特殊出生率は、前年(1.39)と同程度となる見通しだ。人口減少傾向は今後も続くとみられる。 死亡数の多い疾患は(1)がん(悪性新生物)(35万8000人)、(2)心疾患(19万8000人)、(3)脳血管疾患(12万6000人)の順。上位3疾患で全死因の半数を超えている。 年齢別に死因をみると、年齢が高くなるにしたがい割合が増える疾患は心疾患と脳血管疾患。なかでも心疾患は死亡数・死亡率ともに上昇傾向にあり、2011年は過去最多となった。1985年に脳血管疾患にかわり第2位となり、2009年にいったん減少したが、翌年に再び上昇した。 脳血管疾患は1960年代までは上昇傾向にあったが、その後は死亡数・死亡率ともに減少している。1951年に結核にかわり日本人の死因の1位となり、70年まで1位を続けていたが、81年にがんにかわり第2位になり、85年には心疾患にかわり第3位となった。その後も低下傾向は続いていたが、2011年は約2500人増加した。 平成23年(2011)人口動態統計の年間推計(厚生労働省)
(Terahata)