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アルコールは友、それとも敵? 少量の飲酒なら大丈夫?

キーワード: 「少酒」お酒はほどほどに 飲酒

 「1杯の赤ワインが心疾患を予防する」と言われることが多いが、本当だろうか――アルコール中毒に関する研究を行っているカナダで最大の医療機関であるトロント中毒医療センター(CAMH)の調査によると、少量の飲酒であっても心疾患などを引き起こす危険性があるという。
アルコールが健康にもたらす影響は複雑
 欧米では虚血性心疾患が死因のトップになっている。症状は狭心症、胸痛、心不全などが主な症状だ。研究者らは、95万7684人の患者を対象とした虚血性心疾患イベントに関する44件の研究をメタ解析した。研究には3万8627件の死亡が含まれていた。かねてよりいわれている赤ワインの心臓保護効果についても、新しい知見を示した内容となっている。

 「アルコールが健康にもたらす影響は複雑だ」とCAMHの公衆疫学部のJuergen Rehm博士は話す。「虚血性心疾患においてアルコール摂取が心臓を保護する働きをすることを指摘した研究は少なくない。しかし、それはアルコールの摂取量が少なく抑えられていた場合の話で、飲酒習慣のある全ての人に当てはまるわけではない」。

 研究者らは発症データと対象者の飲酒量との相関を分析した。平均飲酒量は1杯以上2杯未満(1ドリンク以上2ドリンク未満)だったが、性別や飲酒パターンにより飲酒量との関係は異なったという。女性ではアルコール摂取により、死亡の危険性が上昇する傾向が示された。

 「女性ではアルコールを1日1杯飲んだだけでも乳がんの危険性が上昇するという報告もある。いれずれにしても、アルコールの種類を問わず、摂取量が増えるとリスクが上昇するのは確実だ。過度の飲酒が1ヵ月に1度だけにとどまったときでさえ、アルコールの便益は消失する。過度の飲酒とは1回に男性は5杯、女性は4杯以上だ」としている。

 研究者らはアルコール摂取と虚血性心疾患の危険性について、さらなる研究が必要としながらも、「アルコールが発症に関わるさまざまな生活習慣病の遺伝因子、体質、生活スタイルなど、個々の患者に合わせて見極めることが大切だ。アルコールの功罪を含め、医療や保健指導で適正な知識を普及させる必要がある。女性に勧められるアルコール摂取量は少なめであるという従来のガイドラインの内容は適切だろう」と述べている。

 CAMHでは適切な飲酒に関するガイドラインを公開している。主な内容は次の通り――
カナダ人のための安全な飲酒ガイドライン
 飲酒について決定するのは1人ひとりです。より健康的な飲酒の方法は次の通りです。
  1. アルコールがもたらす健康上の悪影響を長期的に低減させるために工夫が必要です
    • 週に飲んでいいアルコールの上限は、女性は10杯まで。1日に2杯以上は飲まないようにしましょう。
    • 週に飲んでいいアルコールの上限は、男性は15杯まで。1日に3杯以上は飲まないようにしましょう。
    • お酒を飲みすぎないように、1週間の中に禁酒日を必ず決めておきましょう。

    1杯(1ドリンク)の基準:
    アルコール度数5%のビール 341mL
    アルコール度数12%のワイン 142mL
    アルコール度数40%の蒸留酒 43mL

  2. 過度の飲酒は健康を脅かします
     飲んでいいアルコール量の上限を決めたら、必ず守るようにしましょう

  3. こんな時はアルコールを飲まないようにしましょう
    • 運転中や大型機を操作をするとき。
    • アルコール摂取が作用に影響する医薬品を服用している時。
    • 運動や身体活動を行うときの飲酒は危険。
    • 体や心の健康上の問題がある場合。
    • アルコール依存症がある場合。
    • 妊娠している女性、妊娠計画をたてている女性。
    • 危険を伴う状況を自覚している場合。
    • 重大な決断をしようとしている場合。

  4. 妊娠中の女性や、妊娠計画をたてている女性、赤ちゃんを母乳を育てている女性にとって、もっとも安全な選択はアルコールを全く飲まないことです

  5. あなたが子供や若者であれば、十代の終わりになるまでは飲酒をするべきではありません
     アルコールはあなたの脳と身体の発育に悪影響をもたらします。アルコールについて両親と相談してみましょう。

Alcohol and your heart: friend or foe?(Centre for Addiction and Mental Health 2012年1月30日)

(Terahata)

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