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肥満2型糖尿病では、精神的ストレス軽減が血管内皮機能改善につながる

キーワード: 糖尿病 動脈硬化

 肥満・過体重の2型糖尿病患者では、精神的ストレスを軽減することが血管内皮機能を改善し血管保護的に作用することが、12月4日〜8日開催の国際糖尿病会議(ドバイ)で報告された。埼玉医科大学総合医療センター内分泌・糖尿病内科 秋山義隆氏の発表。
内皮機能をFMD、精神的ストレスをPAIDで評価
 秋山氏らは、糖尿病入院患者の血管内皮機能を測定し、その改善または悪化と関連すると考えられる因子との相関を検討した。血管内皮機能の測定には、上腕の動脈血管径を超音波で計測するFMD(Flow Mediated Dilation)を使用。駆血前の血管径と、5分間駆血し開放後の血管径の変化で評価した。

 また、血管内皮機能は交感神経活性との関連があることから、交感神経系に影響を及ぼす精神的ストレスをPAID(Problem Areas In Diabetes)により評価し、検討項目に加えた。

 対象は、教育目的で同院に入院した2型糖尿病患者68名(男性36名、女性32名)。患者背景の主なものは、年齢62±12歳、糖尿病罹病期間9±7年、BMI27±5、HbA1c10±2%。

FMD改善とPAID改善が有意に相関
 FMDは2週間の入院期間中に1週間の間隔をあけて2回測定した。初回の測定値の平均は4.4±2.5%、2回目は4.2±3.0%だった。FMDの改善(上昇)がみられなかった患者に比べ、LDL-Cが高値、拡張期血圧の変化が低値の患者はFMDが改善し、それぞれの差は有意だった。

 また、FMD値の改善は、PAIDスコアの改善(低下)と有意に相関していた(r=0.3、p<0.05)。

 とくに興味深ことに、BMI27をカットオフポイントとして二群に分けPAIDスコアの変化をみたところ、前者(BMI>27、n=24)のPAIDスコアは−6.9±10.6、後者(BMI≦27、n=44)は−0.2±11.5と、肥満度のより高い患者群のほうで精神的ストレスがより顕著に改善しており、両群間に有意差があった。

 その一方、教育入院期間中には、血糖状態の変化とFMD値、PAIDスコアの変化に有意な相関はみられなかった。

 対照的に、やせている患者(PAIDスコアが有意に改善しなかった)のFMD値に、有意な改善は認められなかった。


 結論として同氏は、「肥満や過体重の2型糖尿病患者に対する入院や教育的ケアは、PAIDで把握される精神的ストレスを軽減して血管内皮機能を改善し、血管保護的に有益である」とまとめている。


    FMD(Flow Mediated Dilation):
      血管内皮機能を評価するスタンダードな指標で、上腕の動脈血管径を超音波で計測する。駆血の前値を基準とし、駆血開放後の最大値の変化量を%で表した数値が一般的に用いられる。基準値は6%以上で、数値上昇は内皮機能改善、低下は内皮機能悪化を意味する。
    PAID(Problem Areas In Diabetes):
      糖尿病臨床でQOLを評価する指標として、ジョスリン糖尿病センターで作成され、邦訳もされている。20項目の質問からなり、それぞれを1〜5点の5段階評価で回答し、点数を合計する。合計100点で、点数が高いほどQOLが低いと判定される。

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(mhlab)

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