2012年02月15日
ビタミンとオメガ3脂肪酸で脳を若く ジャンクフードは認知症の原因に
キーワード: 三多(多動・多休・多接) 認知症

野菜、果物、魚を食べると脳の健康にも良い
ヒトの脳では、加齢に伴い認知能力の衰えや、脳容積の減少する「脳萎縮」という現象が起こる。しかし、より健康な食事スタイルを続けていれば、その進行を抑えることを期待できるという。
加齢にともなう脳の老化を防ぐ食事のポイントは次のことだ――
- 食事で抗酸化作用のあるビタミンC、Eなどのビタミン類やオメガ3脂肪酸を十分にとる。
- 心臓や血管を傷つけるトランス脂肪酸を控える。
ジャンクフードは食べない方が良い
米オレゴン州立大学とオレゴン健康科学大学の研究者たちは、「オレゴン脳加齢研究」に参加した米国人の平均的な食生活を送る高齢者104人を対象に、血液検査を行った。対象となった高齢者の平均年齢は87歳。
調査では、30項目のバイオマーカーを調べたほか、血液中のさまざまな栄養素の相互的な影響を調べた。被験者42人については磁気共鳴画像撮影装置(MRI)で脳の容積も測った。
その結果、野菜や果物に多く含まれるビタミンB、C、D、Eや、魚やナッツ類に多く含まれるオメガ3脂肪酸が血中に多い高齢者では、認知能力テストの反応が速く、脳萎縮が抑えられていることが分かった。認知能力テスト結果に及ぼす影響の17%、脳の大きさに及ぼす影響の37%は栄養素によるという。
「特にトランス脂肪酸は、認知能力や脳萎縮の両方で有害であることが分かった」とオレゴン健康科学大学のGene Bowman氏(神経科学)は話す。「トランス脂肪酸の血中レベルが高くないお年寄りでは、認知能力の低下や脳萎縮はあまりみられなかった。トランス脂肪酸の多いジャンクフードをあまり食べない方がよいことを裏付ける結果になった」としている。
「栄養素の摂取状況が脳組織に大きく影響している。今回の研究は、高齢者に果物と野菜をもっと食べることを勧める理由を付け加える結果になった」とラッシュ大学医療センターのChristy Tangney氏らは述べている。
OHSU study: Vitamins and omega 3s may prevent dementia(オレゴン健康科学大学 2011年12月28日)
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[Terahata]