2012年03月15日
個別教育は高血圧重症化予防が最多 市区町村健康診査
市区町村が実施した健康診査の受診者数は8万5,332人で、個別健康教育対象者は高血圧症(重症化予防)が最も多いことが、厚生労働省の「10年度地域保健・健康増進事業報告」で分かった。
「地域保健・健康増進事業報告」は国と自治体の地域保健施策を効率的・効果的に進める基礎資料を得ることなどを目的に、全国の保健所と市区町村からの報告を取りまとめている。10年度は東日本大震災の影響から、岩手県の一部、宮城県の仙台市以外、福島県の一部を除き、1,696市区町村について集計を行った。 平成22年度に保健所及び市区町村が実施した健康増進関係事業の被指導延人員は739万3,557人で、そのうち「栄養指導」が509万8,657人と最も多く、次いで「運動指導」が139万5,952人となった。対象区分別にみると、「栄養指導」では「乳幼児」が295万8,249人と最も多く、「運動指導」では「20歳以上」が133万9,212人と最も多い。 平成22年度末現在の保健所及び市区町村の地域保健事業に関わる常勤職員の配置状況は、「保健師」2万3,886人が最も多く、次いで「薬剤師」2,979人、「管理栄養士」2,797人となっている。保健所及び市区町村における常勤保健師の配置状況を人口10万対でみると、全国では19.0人となっている。 市区町村が実施した健康診査の受診者数は8万5,332人で、男性3万8,978人、女性4万6,354人となっている。検査結果の状況をみると、「高血圧症個別健康教育対象者」(重症化予防)2万5,034人(29.3%)、「糖尿病個別健康教育対象者」(発症予防)2万3,537人(27.6%)、「脂質異常症個別健康教育対象者」(重症化予防)2万998人(24.6%)となっている。 2010年度に市区町村が実施したがん検診の受診率は「胃がん」9.6%、「肺がん」17.2%、「大腸がん」16.8%、「子宮がん」23.9%、「乳がん」19.0%となり、大腸がん・子宮がん・乳がんで前年度より受診率が上がった。 がん検診受診率を09年度と比較すると、「大腸がん」は0.4ポイント、「子宮がん」は3.0ポイント、「乳がん」は2.8ポイントといずれも受診率が増加した一方、「胃がん」と「肺がん」でそれぞれ0.3ポイント受診率が減少した。 10年度の「B型肝炎ウイルス検診」受診者数は54万5,742人で、そのうち5,235人が「陽性」と判定された。「C型肝炎ウイルス検診」受診者数は54万2,453人で、そのうち4,516人が「現在、C型肝炎ウイルスに感染している可能性が極めて高い」と判定された。 平成22年度地域保健・健康増進事業報告の概況(厚生労働省)
(Terahata)