2012年03月30日
睡眠不足が肥満の原因に 1日に500kcalのカロリーを過剰摂取
キーワード: 二少(少食・少酒) 肥満症/メタボリックシンドローム 三多(多動・多休・多接) 「多休」休養をしっかりとる

もしもあなたが十分な睡眠をとれていない場合、睡眠不足が肥満の原因になっているかもしれない――こんな研究が発表された。
米メイヨークリニックのVirend Somers教授らは、健康な男女17人を対象に、必要とされる睡眠時間をとっていた人と、必要な睡眠時間の3分の2しかとれていない人とのカロリー摂取・消費の状況などを比較した。 8日間の検討期間において、1日当たり1時間20分の睡眠時間が不足していた睡眠不足のグループでは、対照グループに比べ1日当たりの摂取カロリーが平均549kcal増加していたという。 日中の活動に費やすエネルギーは両グループで差がみられなかった。睡眠不足の人は過剰にとったカロリーを燃焼できずに、体脂肪として体にたまっているおそれがある。 「睡眠不足により、食欲に関係するホルモンであるレプチンと、グレリンのレベルに異常が起こる。カロリーの過剰摂取だけでなく、起きている時間のエネルギー代謝にも悪影響があらわれるおそれがある」と米メイヨークリニックのVirend Somers博士は話す。 レプチンは、脂肪組織によってつくりだされ、エネルギーの取込みと消費の調整において重要な役割を果たすホルモン。グレリンは、胃から分泌されるホルモンで、食欲促進や、胃酸分泌の促進、心血管系の保護、エネルギー代謝調節などさまざまな作用が知られている。 睡眠障害の悩みをもつ人は増えている。米国では成人の28%は、1日の睡眠時間が6時間以下だという報告がある。「十分な睡眠をとれていない人は、慢性の睡眠不足が肥満の原因になっているおそれがある。睡眠を改善することで肥満の予防が可能かもしれない」と研究者らは話す。 この研究は、米国心臓協会(AHA)の内分泌代謝などに関する専門部会のサイエンスセッションで発表された。 Lack of sleep may increase calorie consumption(米国心臓病学会 2012年3月14日)
(Terahata)