一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

世界の認知症発症数 2050年には1億人を突破 WHO報告書

キーワード: 二少(少食・少酒) 「無煙」喫煙は万病の元 三多(多動・多休・多接) 認知症

 認知症の発症数は世界で増えており、有効な対策をしないでいると2050年までに現在の3倍に膨れ上がると、世界保健機関(WHO)が発表した。

 認知症とは、脳の病気が原因で記憶力や判断力が低下し、日常生活に支障が出ている状態をさす。原因となる主な疾患はアルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症などだ。アルツハイマー病は認知症の原因としてもっとも多く、70%以内が該当するという。
100人に1人が認知症を発症
 世界保健機関(WHO)がこのほど発表した報告書「認知症:公衆衛生上に重要課題」によると、世界の認知症有病数は現在、およそ3,560万人に上る。2030年までに2倍の6,570万人、2050年までに3倍の1億1,540万に増えると予測されている。認知症は世界中で増加しているが、半数以上(58%)は低・中所得国に集中しており、この割合は2050年までに70%以上に上昇するという。

 認知症は毎年770万人ずつ増え続けている。国連推計の2050年の世界人口は約91億人(うち60歳以上が20億人)なので、患者の割合も約1.27%に上昇する計算だ。世界の認知症の治療や社会的損失のコストの総計は、1年当たり50兆円(6040億USドル)以上に上る。一方で、全国規模で認知症対策を適切に対処するプログラムを設けている国は世界に8ヵ国しかないという。

 認知症では、もの忘れをはじめ、日常生活に支障を来すさまざまな症状が現れる。症状に対する主な治療には、薬物療法と、主に介護サービスを利用して行われるケアやリハビリテーションがある。

 アルツハイマー病の治療は早い段階から開始したほうがより効果があり、良い状態を長く維持できることが分かっている。原因によって治療法と介護のポイントが異なるため、早期の原因特定が重要となる。

 認知症の対策は遅れており、先進国でも認知症の診断が適切に行われていない傾向がみられる。高所得国でさえ認知症が適時診断されている割合は5分の1から半数に過ぎず、診断されたときにはすでに進展してしまっているケースが少なくない。

 「認知症を初期に発見し、必要な医療サービスやソーシャルケアを提供できる体制を整備すれば、認知症の負担を低減できる。しかし、現状では医療体制は十分に整備されていない」とWHOの非感染性疾患(NCD)部門のOleg Chestnov副長官は話す。

 認知症患者を介護する人の負担は深刻だ。認知症患者の介護は主に、配偶者や子供、家族や友人などによって提供されている。報告書では認知症患者の世話をする家族などが、うつ病や不安症などの精神疾患をもつ傾向があり、身体的にも不健康を強いられている現状があると指摘。介護者は就労ができなくなったり制限されるなど、社会的にも困難に直面している。

 「認知症の症状と早期診断、治療と介護の重要性に対する社会的な認知は遅れている。認知症に対する社会的な理解を促し、認知症のスチグマ(不名誉の印)を徹底的に縮小することが重要だ」と国際アルツハイマー病協会のMarc Wortmann氏は指摘する。

 「介護者を社会的に支援するプログラムの設置が認知症ケアを向上させる。国の経済基盤が低所得であっても高所得であっても、認知症患者をケアする在宅福祉の充実により、認知症の負担を軽減できる。より細やかな医療サービスを提供できるよう、医療や看護の臨床・長期医療の両面から支援する努力が必要だ」と強調している。

Dementia cases set to triple by 2050 but still largely ignored(世界保健機関 2012年4月11日)
Dementia: a public health priority

[Terahata]

関連トピック

疾患 ▶ 認知症

2021年01月14日
【セミナーレポート】今こそ“栄養のすすめ”−ウイルス、癌、認知症に打ち克つ力を!−Web配信中! 健康と長寿によって、活力ある未来社会の実現を目指す「世界健康フォーラム2020」
2020年12月14日
腸内フローラが「睡眠の質」に影響 腸内環境と脳は相互に作用 食事で睡眠を改善できる可能性
2020年12月14日
軽い運動を短時間しただけで記憶力を高められる 脳を標的とした運動プログラムの開発へ 筑波大
2020年10月26日
毎日の歩数が多いほど死亡リスクは低下 1日の歩数を1000歩増やすだけでも効果
2020年10月26日
肥満やメタボは認知症リスクを上昇 体重コントロールで脳機能を改善 食事と運動で対策

一無・二少・三多 ▶ 「無煙」喫煙は万病の元

2021年01月15日
喫煙が「排尿症状」の悪化の要因に とくに若年男性でタバコの悪影響は深刻 世界初の大規模研究を実施
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】がん検診の受診者が減少 このままだと死亡リスクが上昇 コロナ下でも「がん検診は必要」
2020年11月06日
【2019年国民健康・栄養調査2】男性の38%、女性の41%が「睡眠時間が6時間未満」 喫煙率は10年間で最低を更新

一無・二少・三多 ▶ 二少(少食・少酒)

2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2021年01月15日
働く人がうつ病になると 「就労の継続への不安」「新型コロナは心身にストレス」 うつ病患者対象の全国調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】がん検診の受診者が減少 このままだと死亡リスクが上昇 コロナ下でも「がん検診は必要」

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2021年01月15日
働く人がうつ病になると 「就労の継続への不安」「新型コロナは心身にストレス」 うつ病患者対象の全国調査
全国生活習慣病予防月間
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート