2012年05月01日
海辺ですごす休暇は心身の健康に良い
キーワード: 三多(多動・多休・多接) 「多休」休養をしっかりとる 健診・保健指導
海辺を休暇で過ごすと心身の健康に良いという研究が発表された。海のそばで過ごすことで得られるリラクゼーション効果は、都市の公園で過ごす場合より大きいという。
2750人を対象に2年かけて行った研究によると、海辺で休日をすごすと沈んだ気分を活性化させ、心身の健康増進につながるという。この研究は、英ペニンシュラ医科歯科大学の欧州環境・健康センターのMathew White氏らによるもので、英国精神医学会の年次大会で発表された。 自然豊かな環境で散歩をすれば楽しさや落ち着きといった感情が強くなり、気分をリフレッシュさせることは知られているが、海辺の散歩による心身の健康増進効果は、都市部の公園を散歩する場合より高かった。 過ごす場所によって精神的な満足度は異なる。屋外で過ごすと、屋内で過ごした場合に比べ、リフレッシュや安らぎ、楽しみといった情緒的な感情が引き起こされやすいことが示された。こうした傾向は都市部の公園を訪れた場合に比べ、海を訪れた場合に大きくみられた。対象者の年齢や移動距離、身体活動量といった条件を調整し解析しても、この傾向は変わらなかった。 「自然の豊かな環境がもたらす効果を指摘した研究は多い。今回の研究では都市と田園の環境を比べ、自然の豊かな環境が健康や精神に良好な効果をもたらすことが示された」とWhite氏は話す。 自然な豊かな場所では、快楽ホルモンといわれるエンドルフィンやセロトニンの分泌が促され、運動量が増えストレス解消にもつながるという。海の近くで過ごすとリフレッシュ効果が高い理由は不確かだが、日中に太陽の日差しを浴び、波の音を聞きながら海岸ですごすことが、良好な効果をもたらすことはあきらかだという。 Being beside the seaside is good for your emotional wellbeing(英国精神医学会 2012年4月24日)
(Terahata)