2012年07月06日
食品による窒息死が増加 消費者庁が注意喚起
キーワード: 健診・保健指導
「窒息事故」のよる死亡数が増えている。2010年の窒息事故数は9,700人を超えた。半数を占めるのは、食物が誤って気管内に入る誤嚥(ごえん)事故だ。窒息事故を起こさないよう予防と応急手当の方法を知っておくことが大切となる。
窒息事故死は交通事故死よりも多い
誤嚥は、食物などが、なんらかの理由で、誤って喉頭と気管に入ってしまう状態をさす。飲み込みの反射が障害されていたり、飲み込む力が弱い、あるいは食道を通過できないといった状態が、誤嚥を引き起こす。誤嚥は肺炎の原因にもなる。
窒息事故による死亡者の年齢の大半は65歳以上の高齢者が占め、次いで45〜64歳、30〜44歳と年齢に比例して多い。一方、0〜4歳の乳幼児の死亡も年間20〜30人発生している。
東京消防庁によると、高齢者の事故のうち「ものがつまる・ものが入る」事故は、ご飯、もち、肉、野菜・果物、パン、菓子、惣菜、寿司など、さまざまな食べ物により起きている。
日本人の不慮の事故による死因をみると、2010年は「窒息」が9,727人で、交通事故(7,144人)や転倒・転落(7,063人)を越えている。厚生労働省や国民生活センター、東京消防庁などが食品による誤嚥の注意喚起を行っているが、食品による窒息で死亡する人は後を絶たない。
食品による窒息事故の予防策として、消費者庁は次のような対策を示している。
- 食品を食べやすい大きさに切る。一口を無理なく食べられる量に。
- 食事の際は、お茶や水などを飲んで喉を湿らせる。
- 食べ物を口に入れたまま、しゃべらない。
- 食事中に驚かせるような行動をしない。
- 食事中は歩き回らない、寝転ばない。
- 要介護者は、粥などの流動食に近い食べ物でものどに詰まることがあるため、食事の際に目を離さない。
(消費者庁ニュースリリースより)
- 119番通報するよう誰かに頼むとともに、ただちに以下の2つの方法を数回ずつ繰り返し、異物が取れるか、傷病者の反応がなくなるまで異物の除去を試みます。
- 傷病者が咳をすることが可能であれば、できるだけ咳を続けさせます。咳ができれば、それが異物の除去にもっとも効果的です。

(Terahata)