2012年07月19日
第2次健康日本21 健康寿命を延ばし超高齢化社会に対策
キーワード: 二少(少食・少酒) 「無煙」喫煙は万病の元 三多(多動・多休・多接) 健診・保健指導
厚生労働省は、国民の健康づくりの指針となる2013〜22年度の第2次「健康日本21」を公表した。新たな視点として“健康寿命”に着目し、日常生活に制約のない期間を延ばす考え方を打ち出した。平均寿命の延びを上回るペースで健康寿命を延ばすのが目標だ。
健康寿命とは、介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、日常生活を健康的に送ることのできる期間のことだ。何歳まで元気で暮らせるかのバロメーターとなる。例えば80歳まで生きた人の場合、入院に1年、介護に2年を要した場合は77歳となる。 2010年時点の日本人の健康寿命は、男性が70.42歳、女性は73.62歳だ。厚労省が国民生活基礎調査をもとに算出した。平均寿命(男79.55歳、女86.30歳)と比較すると、平均寿命より男性は9年余り、女性は12年余り短い。 厚労省は、第2次「健康日本21」で、健康寿命の延び幅が平均寿命の延び幅を上回ることを目指す。平均寿命と健康寿命の差が縮まれば、健康で元気なお年寄りが増える。その結果、医療や介護など、年々膨らむ高齢者福祉の費用を抑えられる効果も期待できる。 厚労省は、健康格差(地域や社会経済状況の違いによる集団間の健康状態の差)の縮小を実現することも重視している。都道府県別の健康寿命では、トップと最下位の県で男女とも約3歳の差が生じている。この地域格差の解消にも取り組む。 都道府県別で健康寿命が最も長いのは、男性が愛知県で71.74歳、女性が静岡県で75.32歳で、いずれも東海地方だった。最も短いのは男性が青森県で68.95歳、女性が滋賀県で72.37歳。格差は男性2.79歳、女性2.95歳。 「健康寿命」の言葉の意味や概念を浸透させ、人々の健康づくりに対する関心をこれまで以上に高めようという狙いがある。しかし「健康寿命」という言葉自体は、まだ周知がはかられていない。今後は厚労省などによる啓発活動も必要となる。 地域ごとに多くの人が健康増進に参加する取り組みも必要となる。健康日本21では「個人の健康は、家庭、学校、地域、職場等の社会環境の影響を受ける」と捉えている。 地域や世代間の相互扶助など、地域や社会の絆、職場の支援などが機能することにより、社会全体が相互に支え合いながら、国民の健康を守る環境を整備すべきとしている。具体的には、地域住民の絆が強まることで、特定健診やがん検診などの受診率向上や、孤立した高齢者の減少につながる。 健康日本21(第2次)(厚生労働省)
厚生労働科学研究 健康寿命
(Terahata)