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脈拍測定を取り入れると運動効果を高められる

キーワード: 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 動脈硬化 心筋梗塞/狭心症 三多(多動・多休・多接) 運動

 家の近所で行うウォーキングや有酸素運動は簡単に取り組める運動だ。脈拍数を測定しながら続ける適度な運動が大きな恩恵をもたらすことが研究で確かめられた。手軽な運動であっても続ければ十分な効果を得られるという。
脈拍数トレーニングは運動効果を高められる
 運動をしながら脈拍数を測定すると、運動の強度を十分に高めながら安全・効果的に運動を行える。

 例えば、40歳代の男性の場合、1分間に心臓が収縮する回数である脈拍数が100拍/分の軽い運動からはじめ、ややきつい運動を行い脈拍数を120拍/分以上に高める。インターバル(休憩)を入れながら、運動強度を高められるよう適度な運動を続けると効果的だという。

 同じ運動でも体力がつけば脈拍数は上がりにくくなる。習慣的に運動を続ければ、一度により長い時間の運動を行えるようになる。

脈拍(心拍)測定を取り入れた運動は効果的
 カナダ・エドモントンのアルバータ大学アルバータ糖尿病研究所のゴードン・ベル博士らは、心拍モニターを使ったフィットネス・トレーニングと、歩数計を使ったウォーキング・プログラムを比較し、どちらの利点が勝っているかを調べた。

 研究チームは、心疾患などの既往歴のない27〜65歳の男女128人を対象に6ヵ月の試験を行った。被験者は運動の習慣をもっておらず、運動不足が慢性化しており、1日の歩数は5500歩未満だった。

 有酸素運動を取り入れたフィットネスに取り組むグループと、ウォーキングに取り組むグループに無作為に分け、運動の効果を比較した。

 フィットネスに取り組むグループには心拍モニターを装着し心拍数を測ってもらった。また、ウォーキングに取り組むグループには研究開始時に、被験者に歩数計を渡し、毎日持ち歩いてもらった。

 結果は、運動に取り組んだグループはどちらも、安静時心拍数、6ヵ月の体重変動、ウエスト周囲径、ウエスト・ヒップ比の改善傾向がみられたが、フィットネスに取り組み心拍測定を行ったグループの方が、収縮期血圧、呼吸の変化が生じるポイントを示す換気閾値、酸素摂取量の最大値を示す最大酸素摂取などのいずれもが、より改善していた。

 「心拍測定を伴うフィットネス・プログラムの参加者の方が、歩数計を持ち歩いた参加者よりも、高い運動の効果がみられた」とベル博士は話す。

 心拍測定グループとウォーキンググループとの比較は
・収縮期血圧の低下は9%対3%
・運動の負荷を最大にしたときの自覚的運動強度は10%対不変
・換気閾値の改善は15%対4%
・最大酸素摂取量の増加は9%対3%
という結果になった。

 心拍測定を行いながら運動に取り組むと、運動の効果を高められるだけでなく、運動へのモチベーションも向上することがうかがえる結果になった。心拍測定の頻度は平均で週4回になり、トレーニングに心拍の頻回の測定を取り入れる割合は77%に上昇した。

 一方、歩数測定を行うウォーキングに取り組んだグループでも改善効果がみられた。「1日の歩数が1万歩に達することを目標にウォーキングに取り組んでもらった。研究終了時に、参加者の9割は平均歩数が9,000歩以上に増えた」とベル博士は話す。

最大脈拍数を計算する方法
 運動をしながら脈拍数を測定すると、効果的な運動強度に達しているかを手軽に知ることができる。運動時の目標脈拍数は、最大脈拍数と運動強度から計算できる。

 ミネソタ州に本部を置くメイヨークリニックの研究者によると、最大脈拍数(MHR)とは「あなたが身体活動を行っているときに心血管系が対応できる上限」と定義される。

 健康のための運動として勧められるのは、中強度の“ややきつい運動”だ。目安となる最大脈拍数は、220から年齢を引いた数値で求められる。例えば40歳の人では、220から40を引いた180拍/分が、最大脈拍数の目安となる。

  あなたの目安とする運動時の脈拍数は
  (最大脈拍数 − 安静時脈拍数) × 運動強度(%) + 安静時脈拍数 = 目標脈拍数
  ※最大脈拍数 = 220 − 年齢
 最大脈拍数が180拍/分で、安静時脈拍数が72拍/分で、運動強度を50%に設定した場合、目標脈拍数は126拍/分となる。

 脈拍数は、手首に指を当てて、1分間の脈拍を数えればわかるが、最近では、手首に巻くだけで手軽にいつでも脈拍数を測れる便利な脈拍計も開発されている。

 「有酸素運動を取り入れた運動は、心肺機能を高めるために有効だ。ただし、2型糖尿病などの健康上のリスクのある人は、運動の効果を高めるために、医師や医療スタッフのアドバイスが必要になる場合がある」とベル博士は強調する。

 「手軽に始められる運動がよいという場合は、ウォーキングから始めるのも有効だ。通常の歩行能力があれば、軽めのウォーキングから開始し、次第に過負荷を上げていくことが可能となる。極度の肥満などがない限り、ウォーキングは安全に行える身近な運動となる」と述べている。

 「運動の効果を得るためには、長期的な計画が必要だ。医学上のベネフィットを得るためには、少なくとも6ヵ月を費やす必要がある。運動について不安のある人は、専門家に相談することを勧める」としている。

参照サイト
Traditional aerobic fitness training trumps pedometer-based walking programs for health benefits(アルバータ大学 2010年9月1日)
Target heart rate calculator(メイヨークリニック)
Exercise Prescription for Health and Fitness: Pedometer Based Walking versus Fitness Programs(アルバータ大学)

(mhlab)

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