2012年09月27日
野菜に親しみやすい名前を付けると食べやすくなる
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「子どもに野菜をもっと食べさせたい」──野菜嫌いの子供が多いが、最新の実験によると、ニンジンを「バリバリするすてきなニンジン」と名付けるなど、野菜を楽しい名前で呼ぶと、子供が残さず食べるようになったという。
野菜を何の飾りもない白い皿に盛って出すだけでは、野菜嫌いの子どもは見向きしないが、おもしろい感覚的な名前を考えて付けると、残さず食べるようになるという研究が発表された。米コーネル大学が行った実験によると、工夫することで子どもたちが食べる率は最高99%まで上昇した。 最初の研究では、ニンジンを「X線透視のニンジン(X-ray Vision Carrots)」と「きょうの食事(Food of the Day)」という2種類の名前で呼び、別々に献立として8〜11歳の子ども147人に出した。食堂で同じ献立3日間続けて出し、2日目だけニンジンの名前だけを変えた。 その結果、「きょうの食事」と呼んだ場合にニンジンを食べた子どもは32%にとどまったが、「透視力ニンジン」では約2倍、66%の子どもがニンジンを残さず食べた。ニンジンに全く名前をつけなかった場合に食べた子どもの完食率は35%だった。 次の研究では、ニューヨーク市郊外にある2ヵ所の学校で、1,552人の学生を対象に、学食で売られている野菜の購買行動を2ヵ月調査した。最初の1か月は食材に名前をつけずに販売したが、2か月目になって1校のみで、ブロッコリとグリーンビーンズに感覚的なおもしろい名前を付けて販売した。 ニンジンを「バリバリするすてきなニンジン(crunchy yummy carrots)」と名付け、ブロッコリはコミックのヒーローであるハルクにちなんで「パワー・パンチ・ブロッコリ(Power Punch Broccoli)」や、「小さなおいしい樹のてっぺん(Tiny Tasty Tree Tops)」と名付けた。グリーンビーンズは興味を引きやすいように「おかしくておもしろいグリーンビーンズ(Silly Dilly Green Beans)」と名前を変えた。結果、楽しくて遊び心のある名前を野菜につけた場合、売り上げは99%増加した。 「ヘルシーな食品に魅力的な名前をつけることで、子どもたちがその食品を選び、食べるようになる。野菜に魅力的な名前をつける方法は、幅広い年齢層に対して効果的で、しかも大規模にすぐに実行できる。おもけに費用もほとんどかからない。」と研究チームはまとめている。 Catchy vegetable names increase affinity for greens(コーネル大学)
(Terahata)