2012年10月11日
ジャンクフード中毒 高カロリーの食事は癖になる ラットで実験
キーワード: 二少(少食・少酒) 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 「少食」食事は腹7~8分目

クッキー、ソーセージ、ケーキなどの欧米式のジャンクフードを餌として与えると、ラットはジャンクフードばかりを好んで食べるようになるという実験結果がカナダで発表された。高脂肪・高炭水化物・高塩分という条件の揃ったジャンクフードは「カチカチと音を立てる健康上の時限爆弾のようなものだ」と研究者は指摘している。
研究チームは、「カフェテリアダイエット」として知られているタイプの飼料をラットに与えた。ラットを運動をさせない環境下に置き、通常の食物ペレット剤と、クッキー、ソーセージ、カップケーキなどを含むジャンクフード・アイテムから自由に選べるようにした。飲料も通常の水と30%の砂糖を含む砂糖水から選択できるようにした。 「ラットは高カロリーの餌を好んで食べるようになった。2ヵ月の間、高脂肪、高炭水化物、高塩分の餌を食べ続けた結果、高血圧、高コレステロール、高血糖を伴うメタボリックシンドロームや肥満の状態になった。これらは脳卒中などの健康障害の危険性を高める原因となる」とカナダ心臓・脳卒中財団のデール・コーベット博士は話す。 ラットの年齢は人間でいうと16〜22歳に相当するという。「30〜40歳の年代で、ジャンクフードの過食を続けている人が多い。そうした不健康な食生活が続くと、年齢を重ねると脳卒中や2型糖尿病、認知症などを発症する危険性が高まる。特に若い世代で危機は高まっている」とコーベット博士は説明する。 実験について、「メタボリックシンドロームを予防するために、栄養バランスのとれた食事と運動の習慣化が必要であることを裏付ける結果になった」と強調している。 カナダ脳卒中会議の副理事のマーク ベーリー博士は「メタボリックシンドロームと脳卒中は健康を脅かす公衆衛生上の大問題となっている。我々は不健康な食事を選び続ける余裕をもっていない。ジャンクフードは我々の命を脅かしている」と話す。 「健康的な食生活を促す適正な知識を広めないと、メタボリックシンドロームを減らすのは難しいだろう。不健康な食事を続けることは、カチカチと音を立てる健康問題の時限爆弾を抱えているようなものだ」と付け足している。 なお、研究者は「実験室のモデル動物は、健康で若く、よい食事を与えれる傾向がある。脳卒中を発症する人は実際には、健康上のさまざまな生活問題を抱えている場合が多いので、結果はさらに深刻なものになるかもしれない」と付け加えている。 High-sugar, high-salt intake creates ‘a ticking time bomb of health problems’(カナダ心臓・脳卒中財団 2012年10月1日)
(Terahata)