2012年10月24日
リラックス睡眠のすすめ 悩んでいると睡眠の質が低下
キーワード: 三多(多動・多休・多接) 「多休」休養をしっかりとる

英国には「ベットに悩み事をもちこむな」ということわざがあるが、これは本当のようだ。睡眠時に悩み事を抱えていると、睡眠の質が低下するだけでなく、翌日に問題を解決する能力の低下を招くという研究が、英国のランカスター大学の研究者より発表された。
研究者は、27人の男性と34人の女性を対象に、睡眠と問題解決能力との関連について試験を行った。被験者を2グループに分け、それぞれ睡眠前に、主に脳の認知機能をはかるために開発された「RAT試験」に取り組んでもらった。 RAT試験は、問題解決のために洞察力が必要とされる難問を集めた問題集で、回答するのに集中力が求められる。 片方のグループは難易度の低いやさしい問題に取り組んでもらい、もう片方のグループには難易度の高い問題に取り組んでもらった。睡眠時にもなるべく与えられた課題について考えてもらうよう指導した。 翌日、同じ難易度のRAT試験を行ったところ、難しい問題については、前日にやさしい問題に取り組んだグループの方が、回答率は高かったという。 「質のよい睡眠は脳の能力を高める。創造的に考えなければなかなか解決できない難しい問題に直面したとき、よい睡眠が問題を解決する能力を高めるのはあきらかだ。睡眠はメンタル・ヘルスを引き上げる。悩みを解決するための近道は、よい睡眠をとることだ」とランカスター大学のPadraic Monaghan博士は言う。 Monaghan博士によると、睡眠の質を高めるために、次のことが役に立つという。 ムードを明るくする
睡眠不足の人は不機嫌であることが多く、睡眠障害が慢性化すると多くの障害が引き起こされる。睡眠障害はうつや気分障害とも関連が深い。ふだんから睡眠時の気分のもちようについて理解しておくことが大切で、問題がある場合には専門家に相談するのが望ましい。 家庭内の問題は睡眠にも影響しやすい
睡眠専門家協会(APSS)の調査によると、睡眠障害を訴える女性は、配偶者と良好な関係を築けていない傾向があることが示された。家庭環境と睡眠は双方で影響をもたらすことがあるので注意が必要だ。 ストレスを減らす
休養を十分にとりストレスを減らすことが、質の高い睡眠につながることが、さまざまな研究で確かめられている。国立睡眠財団(NSF)の調査によると、不十分な睡眠しかとれないと感じている人の85%以上は、睡眠と気分障害との関連を指摘しており、72%は家庭内の問題が影響していると回答した。さらに、68%は睡眠障害が社会生活を妨げとなると感じているという。 Sleep on it, but only if it is difficult: Effects of sleep on problem solving
(Terahata)