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ビタミン剤を飲むとがんの発症が減る 1.5万人を調査

キーワード: がん

 中高年者が総合ビタミン剤を毎日飲むとがんの発症が減ることが、約1万5,000人を対象に10年間以上続けられた研究で確かめられた。総合ビタミン剤を毎日飲んだ人では飲まなかった人に比べ、がんの発症が8%減少した。「がん予防の観点から総合ビタミン剤をとることは有益性があることが示された」と研究者と話している。研究は米国医師会が発行する医学誌「JAMA」に発表された。
総合ビタミン剤を飲んでいた群でがんの発症が8%低下
 総合ビタミン剤は、栄養補助食品の中でもっともよく使われている。必須栄養素であるビタミンやミネラルを組合せて含んだものが大部分で、野菜や果物などを十分に摂取できない人が、その代わりに利用していると考えられている。

 米国の成人の3人に1人が総合ビタミン剤を服用しており、その大半は不足しがちな栄養素を補う効果を期待しているという。

 総合ビタミン剤を長期にわたり服用したときの効果や安全性を科学的に評価した大規模観察研究は少ないが、たいていの人は“なんとなく効果がありそうだ”といった軽い気持ちで利用している。

 「がんを含む慢性疾患を予防できると期待して、多くの人が総合ビタミン剤を服用している。総合ビタミン剤の有益性を評価する研究を行い、効果が本当にあるのかを確かめる必要があった」とハーバード大学ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のMichael Gaziano氏は述べている。

 Gaziano氏ら研究チームは、総合ビタミン剤が慢性疾患を長期的に予防する効果を確かめるために、「医療従事者医療研究(PHS)」に参加した1万4,641人の男性のデータを解析した。調査は1997〜2011年に行われ、参加者の年齢は開始時に50歳以上だった。二重盲検プラセボ比較試験として行われ、参加者は総合ビタミン剤を毎日飲む群と偽薬(プラセボ)を飲む群に無作為に分けられた。

 平均11.2年の期間中に2,669人ががんと診断され、1,373例が前立腺がんで、210例が結腸・直腸がんだった。

 解析した結果、総合ビタミン剤を飲んでいた群の方が、がんの発症が8%低下したことが分かった。前立腺がんでは影響をみられなかったが、それ以外の結腸、直腸、肺、そして膀胱などは、総合ビタミン剤を飲んでいた群で低下していた。

 ただし、総合ビタミン剤を摂取することでどの部位のがんを予防できるか、詳しくことは分かっていない。また、女性や喫煙者において、がん予防効果があるかどうかも不明のままだ。研究の対象となったのは、医師を含む健康な医療従事者で、喫煙習慣をもたず、肥満や過体重も少なかった。

 研究が1997年に始められた頃は、保健専門家のほとんどはビタミンのサプリメントは健康に有益だろうと考えていた。しかしその後、特定の栄養素を過剰に摂取すると、むしろ体にとって害になることもあることが示され、サプリメント類の摂取はむやみに勧められないことが知られるようになった。今回の研究ほど大規模なものではないにしても、ビタミン剤の摂取はがんの発症を特に減らすわけではないとの研究も発表されている。

 「総合ビタミン剤をとる主な理由は不足している栄養素を補うことだ。今回の研究は、中高年者においてはがんの予防の観点で、総合ビタミン剤の服用が勧められるという結果になった。ビタミン剤で特定の栄養素を過剰に摂取するよりも、各栄養素をバランス良くとったほうが効果がある可能性がある。それを確かめるためにはさらなる研究が必要だ」とGaziano氏は述べている。

「ただし、がんを予防するために全ての人に勧められるのは、禁煙と運動を習慣として行うことだ。野菜や果物を十分にとることも、がん予防につながる可能性が高い。総合ビタミン剤の摂取がこれらの代わりになるものではないことに注意してほしい」と付け加えている。

Multivitamin Use Among Middle-Aged, Older Men Results in Modest Reduction in Cancer(ハーバード大学 2012年10月17日)

(Terahata)

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